マクイルトチトリ
五の兎 · Macuiltochtli
「五の兎」を意味するアステカの酩酊と過度の神。過度を戒める五柱アウィアテテオの一柱で、酔いの神々「四百の兎」にも数えられる。兎はプルケ(竜舌蘭の酒)と酔いに結びつく動物であった。
解説
概要
マクイルトチトリ(Mācuīltōchtli)は、アステカの宗教で酩酊と過度にかかわる神である。名は占いの暦トナルポワリの日の名「五の兎」で、ナワトル語のマクイリ(五)とトチトリ(兎)からなる。過度と放縦を戒める五柱の神々アウィアテテオの一柱であり、同時に、酔いの神々の一群センツォン・トトチティン(四百の兎)にも数えられる。
神話・物語
アウィアテテオは、日の名が「五」で始まる五つの日、すなわち五の花、五の兎、五の蜥蜴、五の禿鷹、五の草の神々で、酒や賭け事、色事にふける者に病をもたらすと考えられた。その筆頭は遊戯と歌舞の神マクイルショチトル(五の花)である。
アステカでは兎はプルケ(竜舌蘭の酒)と酔いに結びつけられ、酔いのありさまの数々が「四百の兎」の神々として数えられた。その長とされるのがオメトチトリ(二の兎)で、プルケの女神マヤウェルと、樹液を酒に変える根の神パテカトルがその親とされる。「五の兎」の名をもつマクイルトチトリは、過度の神々と酔いの神々の両方に属することで、酩酊が過度の代表とみなされていたことを示している。
図像と象徴
固有の図像はほとんど伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。アウィアテテオの神々は、口のまわりに五本の指を広げた手の形を描いて表されるのが通例である。
系譜と関係
パテカトルとマヤウェルの子とされるセンツォン・トトチティンの一柱。アウィアテテオの一柱として、マクイルショチトルらと並ぶ。
なおメソアメリカの先住民の伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。