テポステカトル
テポステカトル · テスカツォンテカトル · オメトチトリ
プルケと酩酊と豊穣のアステカの神で、酔いの神々「四百の兎」の主要な一柱。暦名はオメトチトリ(二の兎)。テポストランの伝説では風によって生まれ、大蛇に呑まれて内側から腹を裂いて出た。今日もテポステコ祭が営まれる。
解説
概要
アステカ神話において、テポステカトル(テポストリ「加工しうる金属」とテカトル「人」から成る)、あるいはテスカツォンテカトル(テスカトル「鏡」、ツォントリ「四百」、テカトル「人」から成る)は、プルケ、酩酊、そして豊穣の神であった。
暦名オメトチトリ(「二の兎」)でも知られた。マヤウェルの配偶者である。
信仰
テポステカトルは、センツォン・トトチティン(四百の兎)——酔いの神々の一群——のうち最も重要な一柱である。
「四百」はナワトル語で「無数」を意味し、酔いの状態が無数にあることを表す。それぞれの兎が、異なる酔いの段階と種類を司る。
酔いの神々の首領がオメトチトリ(二の兎)と呼ばれることから、この暦名は特定の神ではなく、プルケの神一般を指す称号でもあった。
神話・物語
モレロス州テポストランには、この神の伝説が伝わる。処女が風によって身ごもり、生まれた子が捨てられたが、蟻が養い、老夫婦が育てた。長じてテポステカトルとなり、人を食う大蛇を退治した。大蛇に呑まれ、内側から黒曜石の刃で腹を裂いて出たという。
テポストランの丘の上には、テポステカトルに捧げられたピラミッド(テポスコ)が今日も残る。
16世紀、この神の像は宣教師によって丘の上から投げ落とされたと伝えられる。
図像と象徴
プルケの神々に共通する三日月形の鼻飾り(ヤカメツトリ)をつけ、斧を持つ姿で描かれる。主画像は、『ボルジア絵文書』の図をもとにした現代の描き起こしである。
系譜と関係
マヤウェルの配偶者。センツォン・トトチティンの一。パテカトルと同じくプルケの神。
文化的足跡
テポストランでは、聖母マリアの誕生の祝日(9月8日)にあわせてテポステコ祭が営まれ、キリスト教に改宗したテポステカトルが近隣の王たちの挑戦に応える劇「テポステコへの挑戦」が上演される。
なおメソアメリカの先住民の伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。