マヤウェル
マヤウェル · マヤウエル · Mayahuel
リュウゼツランを神格化したアステカの女神。ケツァルコアトルに天から連れ出されたが祖母の星の魔女に裂かれ、その骨を埋めた場所から最初のマゲイが生えた。四百の乳房で酔いの神々を養う。夫は発酵の神パテカトル。
解説
概要
マヤウェルは、コロンブス以前のメソアメリカ年代における後古典期の中央メキシコ諸文化、とりわけアステカ文化において、リュウゼツラン(マゲイ)に結びつけられた女神である。
マゲイの擬人化として、マヤウェルはアステカ宗教における相互に関連する母性と豊穣の女神の複合の一部でもあり、また多産と滋養の観念とも結びつく。
神話・物語
ケツァルコアトルは、人に喜びを与えるものを求めて天に昇り、ツィツィミトル(星の魔女)に守られて眠るマヤウェルを見つけた。
ケツァルコアトルは彼女を目覚めさせ、ともに地上へ降りた。二人は一本の木となり、二つに分かれた枝として絡み合った。
祖母のツィツィミトルが目覚めて孫の不在に気づき、他のツィツィミメを率いて追った。木を見つけると、マヤウェルの枝を裂き、その肉を魔女たちに分け与えて食わせた。
ケツァルコアトルの枝は残り、彼はもとの姿に戻ってマヤウェルの骨を集め、これを埋めた。そこから最初のマゲイが生えたという。
プルケ
マゲイの樹液を発酵させた酒がプルケである。アステカにおいて、プルケは儀礼の酒であり、日常の飲用は厳しく制限されていた。
マヤウェルは四百の乳房を持ち、そこから四百の子——センツォン・トトチティン(四百の兎)——を養うとされた。この四百の兎が、酔いのさまざまな段階を司る神々である。
酔いの程度が神の数で表されるという発想である。
夫はパテカトルで、発酵を司る神である。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、マヤウェルの図である。
マゲイの株の上に坐し、あるいはマゲイそのものと一体化した女として描かれる。乳房を露わにする姿が多い。
殺されて埋められた骨から植物が生えるという構造は、トウモロコシの神の物語と共通する。植物の起源が神の死に求められる。
関わる神格・伝承
夫はパテカトル、子はセンツォン・トトチティン。ケツァルコアトルに連れ出された。
文化的足跡
プルケは今日もメキシコで飲まれており、その起源譚としてマヤウェルの物語が語られる。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。