マボン・アプ・モドロン
マボン · マボン・アプ・モドロン · マポノス
ウェールズ神話の若い神で「偉大な母の子」。生後三日で母から奪われグロスターに囚われていたところを、最も古い動物たちに順に問うことで探し出された。ローマ・ブリテンの若さの神マポノスに由来する。
解説
概要
マボン・アプ・モドロン(Mabon ap Modron)は、ウェールズ神話の人物で、モドロンの子でありアーサーの戦士団の一員である。彼と母はともに神格に起源を持つ可能性が高く、神的な母子の対に由来する。
マボンは、神話上の英雄プリデリ・ヴァブ・プイスと同一視され、またマボン・アブ・メスルトというアーサー王伝説の脇役とも同一視される。その文学上の反響は、大陸のアーサー王ロマンスの複数の登場人物と、その英語版の翻案に見出されうる。
語源と起源
その名と姿は、ローマ・ブリテンの若さの神マポノス——名は「偉大な息子」を意味する、ケルトのアポローンの対応者——と関係する。その母モドロンは、ガリアの女神マトローナ——「偉大な母」——に関係する。
マポノスとマトローナはハドリアヌスの長城の周辺で崇拝されたことが知られ、これがウェールズ文学におけるモドロンとマボンの卓越を説明するかもしれない。
神話・物語
『キルッフとオルウェン』において、マボンは巨人イスバザデンの課す課題の一つとして探し出される。「生後三日目に母のもとから奪われた」マボンは、どこにいるか誰も知らない。
キルッフとアーサーの戦士たちは、最も古い動物たちに順に問う。クイルグウィンの黒つぐみ、レゼンヴレの牡鹿、クム・カウルウィドの梟、グウェルナビイの鷲——そして最後にスリン・スリウの鮭が、グロスターの城壁のなかで嘆く声を聞いたと答えた。
鮭は戦士たちを背に乗せて運び、彼らは城を襲ってマボンを救い出した。マボンは以後、猪トゥルフ・トゥルウィスの狩りに加わる。
最も古い動物たちに順に問うという構成は、ケルトの説話に固有の形式である。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。マポノスへの奉献碑文は、ハドリアヌスの長城周辺から複数出土している。
生まれてすぐ奪われ、囚われて救い出される若い神という型が、この人物を規定する。ギリシアのペルセポネー、北欧のバルドルと同じく、失われて回復される神である。
関わる神格・伝承
母はモドロン。マポノスに由来。プリデリと同一視される。
文化的足跡
現代の異教主義において、「マボン」は秋分の祭の名として用いられる。ただしこの用法は1970年代のアメリカで作られたものであり、ウェールズの伝統に根拠を持たない。