ロスナ
ロスナ · Losna
エトルリアの月の女神。ボローニャ出土の青銅鏡に名が刻まれ三日月を伴う女性が描かれるのが、ほぼ唯一の直接の証拠である。名はラテン語のルーナと同語根とみられるが、エトルリア語は印欧語族でなく借用によるとされる。
解説
概要
ロスナは、エトルリアの月の女神であった。海と潮汐とも結びつけられる。
ギリシアのレウコテアーに似る。ロスナのローマの対応者はルーナである。
資料
ロスナについての資料は、きわめて乏しい。
青銅鏡。 ボローニャ出土の青銅鏡に「ロスナ」の名が刻まれる。三日月を伴う女性の姿が描かれている。
それだけ。 これがほぼ唯一の直接の証拠である。
推定。 名がラテン語のルーナ(月)と関連するとみられることから、月の女神と推定されている。
語源。 「ロスナ」は印欧祖語の *leuk-(光る)に遡る可能性がある。ラテン語のルーナ、ギリシア語のレウコス(白い)と同語根である。
ただしエトルリア語は印欧語族ではない。借用によるとみられる。
エトルリアの月
エトルリアには、月に関わる神が複数ある。
ティウル。 月そのものを指す語であり、神格化された。
ロスナ。 月の女神。
両者の関係は明らかでない。同じ神の別名とする説と、別の神とする説がある。
太陽のウシルと対をなす。 太陽と月が対をなすという構造は、エトルリアにも見られる。
少ない資料から
エトルリアの神々の多くは、名が知られるのみである。
神話がない。 エトルリア語の文学は残っていない。神々の物語を伝える文献がない。
図像から推定する。 青銅鏡と壁画に描かれた場面から、神話の内容が推定される。
ギリシアの物語。 ただし描かれる場面の多くは、ギリシア神話の場面である。エトルリア固有の物語がどれほどあったかは分からない。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
関わる神格・伝承
ティウルと月を共有する。ルーナに相当。
文化的足跡
日本語圏でこの名が挙げられることはまずない。エトルリア宗教の研究において言及される。