ユートゥルナ
ユトゥルナ · ディウトゥルナ · Juturna
ローマの泉と井戸の女神で、フォルムの泉ラクス・ユートゥルナエの主。ヤーヌスの妻でフォンスの母とされる。『アエネーイス』ではトゥルヌスの妹で、兄の御者に化けて一騎打ちを引き延ばしたが、不死ゆえに兄とともに死ねないことを嘆いて川に沈んだ。
解説
概要
ユートゥルナ(Juturna、ディウトゥルナとも)は、古代ローマの泉と井戸、湧き水の女神である。ローマのフォルム・ローマーヌムの泉の主として祀られ、『アエネーイス』ではルトゥリ人の王トゥルヌスの妹として登場する。
神話・物語
ユートゥルナは古いラテンの泉の女神で、もとはラウィーニウムに近いヌミキウス川のほとりに住まいがあったとされる。ユーピテルに愛されて不死を与えられ、水のニンフとなったという。
ローマの伝説では、レギッルス湖の戦い(前496年頃)のあと、ローマの勝利を伝えに現れたカストルとポルックスが、フォルムのユートゥルナの泉で馬に水を飲ませたという。
『アエネーイス』第12巻では、ユートゥルナはユーノーの求めに応じて兄トゥルヌスの御者に化け、戦車を操ってアエネーアースとの一騎打ちを引き延ばした。しかし最後にはユーピテルの遣わした凶兆の鳥によって手を引かざるをえなくなった。兄の死を悟ったユートゥルナは、なぜ不死を与えられたのか、兄とともに冥界へ行けたらよいのにと嘆き、頭を覆って深い川に身を沈めた。
信仰
フォルムの泉のほとりの池はラクス・ユートゥルナエと呼ばれ、カストルとポルックスの神殿の傍らに今も遺構が残る。祭は1月11日のユートゥルナーリアで、水道や泉に関わる職人たちが祝った。ローマのマルスの野にも神殿があったが、トッレ・アルジェンティーナ広場の神殿の一つをそれとする説などがあり、どれにあたるかは定まっていない。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、フォルム・ローマーヌムに復元されたユートゥルナの泉である。
系譜と関係
アルノビウスによれば、ヤーヌスの妻で泉の神フォンスの母であり、またウォルトゥルヌスの娘とされる。『アエネーイス』ではトゥルヌスの妹で、ユーピテルに愛された。ローマ最初期の泉の女神フッリーナとも職能が近い。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。