グロヌ・ペブル
グロヌ · グロヌ・ペビル · Goronwy Pefr
中世ウェールズ『マビノギ四枝』第四枝のペンスィンの領主。ブロダイウェズと通じてスェウを槍で討ち、のちに石ごと貫かれて死んだ。
解説
概要
グロヌ・ペブル(Gronw Pebr、「輝けるグロヌ」)は、中世ウェールズのマビノギオン所収『マビノギ四枝』第四枝に登場するペンスィンの領主である。ブロダイウェズの情人であり、スェウ・スァウ・ゲフェスを討った男にあたる。ブリテンの三題詩と『タリエシンの書』の詩「木々の戦い」にも名が現れる。
神話・物語
スェウが叔父マースのもとへ出かけていたあいだ、狩の途中で館の前を通りかかった。もてなさぬのは礼を欠くとして招き入れたブロダイウェズと、その夜のうちに恋に落ちる。二人はスェウの殺害を企てた。
スェウは容易には殺せない。昼にも夜にも、屋内でも屋外でも、馬上でも徒歩でも、着衣でも裸身でも、正しく作られた武器によっても死なない。ブロダイウェズが聞き出した唯一の方法は、黄昏どき、網に包まれ、片足を桶の縁に、片足を山羊の背に置いたところを、一年のあいだ日曜のミサの時間にのみ鍛えた槍で刺すことであった。グロヌはその槍を一年かけて鍛える。
一年後、キンヴァイル川のほとりでその姿勢をとらされたスェウに、彼は待ち伏せから槍を投げた。穂先は刺さり、柄は折れる。しかしスェウは倒れず、鷲となって飛び去った。グロヌはブロダイウェズを得、スェウの領地も手に入れる。
快復したスェウが軍を率いて戻ると、彼はペンスィンへ逃れ、使者を立てて赦しを乞うた。土地でも金でも償うと申し出たが、スェウはただ一つ、自分が受けたのと同じ姿勢で同じ場所に立ち、槍を受けることだけを求める。グロヌは手勢を見回して、誰か身代わりに一撃を受けてくれる者はいないかと尋ねた。一人も応じる者はなかった。この一問一答ゆえに、彼の一族は今日まで臆病者の名で呼ばれるのだと物語は付け加える。
やむなく彼は、あいだに大きな石を置かせてほしいと乞うた。スェウはこれを許す。投げられた槍は石を貫き、その背を砕いて彼を殺した。
図像と象徴
図像は伝わらず、当サイトも主画像を掲げない。
この人物の標識は、穴のあいた一つの石である。アルズイのキンヴァイル川のほとりには、貫通した穴を持つ石板が今も横たわり、スレフ・ロヌ(グロヌの石)と呼ばれている。物語が語る出来事を土地の景物で裏づける型は、四枝のいたるところに見られるが、これはそのなかでも最もよく知られた例である。なお、ドヴィ川の岸にも同じ名で呼ばれる石があるが、こちらは1969年にグラナダ・テレビが『ふくろう模様の皿』を映像化した際、撮影のために彫らせた新しい石である。
系譜と関係
系譜は伝わらない。情人はブロダイウェズ、討った相手はスェウ、その後見人グウィディオンが復讐を主導した。
物語は彼を悪人として断罪しない。第四枝が彼に与えた最も重い言葉は、手勢が一人も身代わりに立たなかったという事実のほうである。名は「輝ける」を意味するのに、その一族に残された名は臆病であった。
文化的足跡
アラン・ガーナーの小説『ふくろう模様の皿』(1967年)は、スェウ、ブロダイウェズ、グロヌの三角関係が現代のウェールズの谷で世代ごとに繰り返されるという構成をとり、この物語を今日に接続した。物語の要としてくり返し映されるのが、穴のあいた石である。ウェールズ語文学でもこの三角関係は繰り返し取り上げられており、多くの場合、討たれる側ではなく討つ側の孤立に光が当てられている。