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ダニールとアクハト
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PHOENICIAN · フェニキア・カナン神話
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ダニールとアクハト

ダニール · アクハト · プガト

アクハト叙事詩の粘土板(ルーヴル美術館蔵 AO17323)/撮影: Rama, CC BY-SA 2.0 fr CC BY-SA 2.0 FR

ウガリットの『アクハト物語』の義しい王ダニールと、女神アナトに弓をめぐって殺されたその子アクハトの記事。娘プガトが男装して仇討ちに向かうところで粘土板は途切れる。エゼキエル書の義人ダニエルとの関係が論じられる。

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解説

概要

ダニール(ウガリット語 dnʾil、「エールは裁く」)は、ウガリットの詩『アクハト物語』(KTU 1.17〜1.19、前14世紀)に登場する義しい王であり、英雄アクハトの父である。子に恵まれなかったダニールは神々に祈ってアクハトを得るが、アクハトは工匠の神から授かった弓をめぐって女神アナトの怒りを買い、殺される。父と子の物語であるため、本サイトは二人を一つの記事にまとめて扱う。

神話・物語

子のないダニールは、七日のあいだ神々に供え物をして祈る。バアルがエールに取りなし、エールはダニールに子を授けると約束する。出産を司る女神たちコタラトが七日のあいだダニールの家に留まり、妻は身ごもってアクハトが生まれる。物語は、よい息子が父のために果たす務め、すなわち祖先の石柱を立て、酔った父の手を取り、屋根を塗り、衣を洗うことを、繰り返し数え上げる。

やがて工匠の神コシャル・ハシスがダニールの家を訪れ、見事な弓を贈る。ダニールはこれをアクハトに与える。宴の席で弓を見た女神アナトは、金銀を、さらには不死を差し出して弓を求めるが、アクハトは「死すべき者がどうして不死を得られよう」と退け、弓は男のものだと言い放つ。アナトはエールの許しを得たうえで、従者ヤトパンを鷲の群れにまぎれさせてアクハトを襲わせ、殺す。弓も失われる。

アクハトの死とともに大地は乾き、七年の旱魃が続く。ダニールはバアルの力を借りて鷲を射落とし、その腹から息子の遺骸を見つけて葬る。殺害の場に近い町々を呪い、七年のあいだ喪に服する。ダニールの娘でアクハトの姉妹にあたるプガトは、父の祝福を受けて男の装いの下に武器を隠し、ヤトパンのもとへ赴いて酒を勧める。粘土板はそこで途切れ、結末はわからない。アクハトがよみがえる筋を推測する研究者もいる。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、『アクハト物語』を記した粘土板(ルーヴル美術館蔵 AO 17323)である。ダニールやアクハトを表した像は知られていない。

系譜と関係

ダニールはラファの人(mt rpi)と呼ばれ、死んだ王たちの霊ラピウマ(レファイム)と結びつく称をもつ。妻はダナタイ、子は息子アクハトと娘プガトである。

『アクハト物語』は、『バアル叙事詩』『キルタ物語』と並ぶウガリット文学の代表作で、いずれも書記イリミルクの写本として伝わる。

文化的足跡

『エゼキエル書』14章と28章は、ノア、ダニエル、ヨブを古の義人として挙げる。このダニエルは『ダニエル書』の主人公ではなく、ウガリットのダニールに連なる伝説上の義人を指すとする説が有力である。ウガリットの詩は、ダニールが町の門で「寡婦の訴えを裁き、孤児の訴えを裁く」姿を描いており、エゼキエルが義人の代表に挙げる人物の像とよく合う。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q2915456 — 骨格データの出典