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ダユ
PLATE — DAHUT
CELTAE · ケルト神話
DAHUT

ダユ

ダユ · ダユド · アエス

エヴァリスト=ヴィタル・リュミネ《グラドロンの逃走》 PUBLIC DOMAIN

ブルターニュの沈んだ都市イスの王女。水門の鍵を盗んで開けたため町が沈んだとされる。快楽に耽る悪女とする版と、異教の女王が聖人によって滅ぼされたとする版があり、後者は沈没の物語がキリスト教化として語られたことを示す。

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解説

概要

ダユは、ブルターニュの伝説に語られる、海に沈んだ都イスの王女である。都を海から守る水門の鍵を盗んで門を開けたため、イスは沈んだとされる。快楽に溺れた悪女として語られる一方、より古い層では異教の都を治める女王であったとみる理解もあり、その人物像は語り手によって大きく揺れている。

なお本サイトの分類では、ケルト神話の体系に含めて扱う。

鍵を盗んだ娘

イスは、海面より低い土地に堤防を巡らせて築かれた都で、水門の鍵は父王グラドロンが首にかけて肌身離さず持っていた。ダユはこの鍵を盗み、門を開けてしまう。海が流れ込み、イスは沈んだ。

なぜ鍵を盗んだのかは、版によって異なる。赤い服の騎士、あるいは悪魔に唆されたとする版もあれば、快楽のために自ら門を開けたとする版もある。

異教の女王と聖人

一方、より古い層の伝承では、ダユは異教の都イスの女王であったと考えられている。物語のなかでは、キリスト教の聖人グウェノレが、娘を海へ投げ入れるよう王に命じる。馬で逃げる王は背に乗せていた娘を海へ落とし、ダユは波に呑まれた。異教の女王が、聖人の言葉によって滅ぼされるのである。沈没の物語は、異教からキリスト教への転換として語られている。「快楽に溺れる悪女」という人物像には、後代の道徳的な解釈が多分に含まれている。

海に沈んだダユは、人魚、あるいはブルターニュの水の精モルガンになり、今も海で歌っていると言われる。女性が水の霊になるという点で、ブラジルのイアラやスラヴのルサールカと共通する。

名とパリ

ダユの名は、古ブルトン語の「善き」と「魔術」に由来するとされる。イスはドゥアルヌネ湾に沈んだと伝えられ、「イス」は「低い」を意味するとされる。パリの名は「パル・イス」(イスに等しいもの)に由来するという言葉遊びも伝わるが、事実ではない民間語源である。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、エヴァリスト=ヴィタル・リュミネの《グラドロンの逃走》である。

関わる伝承

リオネス、カントレル・グワエロドとともに、沈んだ土地の系列をなす。

文化的足跡

イスの伝説は、ラロの歌劇『イスの王』(1888年)や、ドビュッシーのピアノ曲『沈める寺』(1910年)の題材となった。

なおケルトの伝承は今日も語り継がれており、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q3012000 — 骨格データの出典