クルピラ
クルピラ · コルピラ · Curupira
ブラジルとパラグアイの森の霊で、過剰な伐採と狩りを罰する。足が後ろ向きについており足跡が進行方向と逆になるため、追う者は来た方向へ戻ってしまう。1560年のイエズス会士の書簡に名が現れ、当時の記述が今日の伝承と一致する。
解説
概要
クルピラは、ブラジルをはじめ、パラグアイやギアナのトゥピ・グアラニー系の言葉を話す人々の伝承に語られる森の霊である。森を守り、必要以上に狩りをしたり木を伐ったりする者を罰する。最大の特徴は後ろ向きについた足で、その足跡をたどる者はかえって来た方向へ戻ってしまう。1560年の宣教師の書簡にすでに名が見える、ブラジルの先住民の信仰について最も古い記録の一つに現れる存在である。
なお本サイトの分類では、南米先住民の体系に含めて扱う。
後ろ向きの足
クルピラの足は、かかとが前に、つま先が後ろについている。そのため足跡は進む方向と逆向きに残り、追う者は来た道を戻ることになる。森では足跡を読むことが追跡の基本であり、クルピラはその基本を裏切る存在として形づくられているのである。アマゾンのチュリャチャキやグアラニーのクルピーも、同じく後ろ向きの足を持つ。姿は、背の低い先住民や混血の人のようであるとも、炎のような赤い髪をした子供ほどの背丈の者であるともされ、猪に乗って森を駆けるという伝承もある。
森の掟
クルピラは、必要以上に獣を狩る者、とりわけ子を連れた雌の獣を狙う者を厳しく罰する。罰を受けた者は道に迷わされ、幻を見せられ、ついには正気を失うという。一方で、煙草を供えれば見逃してくれるとも言われる。煙草を好むのは、パラグアイのポンベロなど、南米の森の存在に広く共通する性格である。
四百年以上変わらない記録
1560年、イエズス会の宣教師ジョゼ・デ・アンシエタは、その書簡のなかでクルピラの名を記した。アンシエタはクルピラを悪魔として書き留めたが、書かれた内容は今日の伝承とよく一致している。征服の直後から四百年以上にわたって、ほとんど変わらずに語り継がれてきたことになる。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、マノエル・サンチアゴの《クルピラ》(1926年)である。
関わる伝承
カイポラと混同されることがあり、クルピー、チュリャチャキと同じ型に属する。
アマゾン北西部で掟をもたらした文化英雄ジュルパリとも、しばしば混同されてきた。
後ろ向きの足という特徴は、腹に口を持つ森の獣マピングアリにも共通している。
文化的足跡
クルピラは、ブラジルで森と環境を守る運動の象徴としてしばしば用いられてきた。
なお南米先住民の伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。