ワーケア
ワーケア · Wākea · Wakea
ハワイの天の父で、大地の母パパハーナウモクと結ばれてハワイの首長たちの祖となった。娘との子から最初のタロイモが生え、次の子が人の祖となった。ハワイ人はタロイモを兄として敬う。男女別食の禁忌アイ・カプの起源でもある。
解説
概要
ハワイの宗教において、天の父ワーケアは大地の母パパハーナウモクと結ばれる。この二柱は、ハワイを治める首長たちの親の対とみなされる。
ワーケアはカヒコ(「古き者」)の長子であり、オララロワイアに住んだ。アリイ(ハワイの貴族)——ノホ・アリイ・オ・ハワイイとして知られる支配階級——の祖である。
天と地の対
天の父と大地の母という一対は、ポリネシアの全域に共通している。マオリのランギとパパと同じ構造である。ハワイの「パパ」とマオリの「パパトゥアーヌク」は同じ語源を持ち、「ワーケア」もマオリの「アーテア」(空間)に対応するとされる。こうした言葉の対応は、ポリネシアの人々が各地に広がる以前からの、共通の伝承があったことを示している。
ホオホークーカラニ
ワーケアとパパのあいだに、美しい娘ホオホークーカラニが生まれた。ワーケアは娘と交わり、最初に生まれた子は死産であった。埋められたその子から、最初のタロイモ(カロ)が生えた。その子の名はハーロアナカである。次に生まれた子も同じくハーロアと名づけられ、この子がハワイの人々の祖となった。ハワイの人々は、タロイモを兄として敬う。人とタロイモは、同じ親から生まれた兄弟なのである。食べることが兄を食べることにもなるこの関係が、タロイモを扱うときの作法を決めていた。
カプの起源
ワーケアが娘と交わったことを隠すため、祭司の助言によって、男と女が別々に食事をする掟が定められたとされる。男女が同じ席で食べてはならないというこの禁忌(アイ・カプ)は、ハワイの社会の根本をなす掟であった。1819年、カメハメハ2世の母ケオプオラニと、王の妃カアフマヌがこの掟を公然と破り、カプの制度は廃止された。宣教師がやって来る直前のことである。社会の掟が、王家の女性たちの手によって、内側から崩されたのである。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
関わる神格・伝承
妻はパパハーナウモク。娘はホオホークーカラニ。ハワイのアリイの祖。
文化的足跡
カロ(タロイモ)とハワイ人の兄弟関係は、今日もハワイ先住民の文化復興運動において重要な観念である。
なおハワイ・サモア・トンガ・タヒチの伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその神格の伝承に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。