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ティーシポネー
PLATE — ΤΙΣΙΦΌΝΗ
HELLAS · ギリシア神話
ΤΙΣΙΦΌΝΗ

ティーシポネー

ティシポネー · ティルプーシア · Tisiphone

版画《アタマースの宮殿のフーリア、ティーシポネー》(1606年、イタリア刊、ロサンゼルス郡立美術館蔵) PUBLIC DOMAIN

三人のエリーニュスの一人で、名は「殺人の復讐者」を意味する。ローマの詩人たちがタルタロスの門番、狂気を吹き込む者、戦を煽る者として固有の役を与えた。

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解説

概要

ティーシポネー(Τισιφόνη、「殺人の復讐者」)は、古典神話の三人のエリーニュス(復讐の女神)の一人である。ティルプーシアとも呼ばれる。

姉妹はアーレークトーとメガイラ。冥界に住み、悪人を追って地上に現れる。殺人の罪——親殺し、兄弟殺し、そして殺人一般——を罰する。

神話・物語

固有の物語は少ない。この女神が現れるのは、他者の罪を罰する場面においてである。

ティブッルスのエレゲイア第1巻第3歌では、髪の代わりに獰猛な蛇を生やした乱れた姿で、タルタロスの不敬な魂を追い回す。

ウェルギリウス『アエネーイス』第6巻では、タルタロスの門の番人として「血に濡れた衣をまとって」描かれる。第10巻では、メゼンティウスとアエネーアースの兵の戦いのさなか、「蒼白」で「戦う数千のあいだで荒れ狂う」と描かれる。

オウィディウス『変身物語』第4巻は、この女神を冥界の住人とし、滴る赤い衣をまとい、腰に蛇を巻きつけた姿で表す。ユーノーの求めに応じて、アタマースとイーノーを狂わせた。その手段は、髪から抜いた蛇の息と、ケルベロスの口の泡とエキドナの毒から作った毒である。

スターティウス『テーバイス』では際立った役を担う。オイディプースの求めに応じて、その子ポリュネイケースとエテオクレースの戦を煽る。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、1606年にイタリアで刊行された版画《アタマースの宮殿のフーリア、ティーシポネー》である(ロサンゼルス郡立美術館蔵)。

図像の定型は、蛇の髪と血の衣である。三姉妹はしばしば同じ姿で描かれ、個別に見分ける標は与えられない。ティーシポネーが単独で名指されるのは、ローマの詩人たちがこの女神に固有の場面を与えたためである。

名が「殺人の復讐者」を意味することが、三姉妹のうちでの分担を示している。アーレークトーが「止まぬ者」、メガイラが「妬む者」であるのに対し、この女神は殺人という特定の罪を担う。

関わる神格・伝承

姉妹はアーレークトーとメガイラ。冥界に属し、ユーノー(ヘーラー)の命を受けることがある。

三姉妹を区別して名を与えるのは、ギリシアの古い資料ではなく主としてローマの詩人である。アイスキュロス『エウメニデス』では、エリーニュスは名を持たない合唱隊として現れる。個別の名と役は、後代の文学において与えられた。

文化的足跡

ダンテ『神曲』地獄篇第9歌に、三人のフーリアがディースの城壁の上に現れる場面がある。ティーシポネーもそこに名指される。

日本語圏では、復讐の女神は「エリーニュス」の総称で紹介されるのが常で、三人の名まで挙げられることは少ない。しかしローマの詩人たちがこの一人に与えた役——狂気を吹き込む者、戦を煽る者——は、ラテン文学における冥界の描写を特徴づけている。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q3991817 — 骨格データの出典