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シグムンド
PLATE — SIGMUNDR
NORÐR · 北欧神話
SIGMUNDR

シグムンド

シグムンドル · シゲムンド · ジークムント

ヨハネス・ゲールツ原画/彫版 エドゥアルト・アーデ《シグムンドの剣》(1889年、F・ダーン/T・ダーン『ヴァルハラ——ゲルマンの神々と英雄の物語』1901年所収) PUBLIC DOMAIN

ヴォルスンガ・サガの英雄。バルンストックの木からオーディンの剣グラムを抜き、狼に変じた妖女の舌を噛み切って生き延びた。竜殺しシグルズの父にあたる。

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解説

概要

シグムンド(古ノルド語 Sigmundr、古英語 Sigemund)は、ゲルマン神話の英雄である。その物語は『ヴォルスンガ・サガ』に語られる。

ヴォルスングとその妻フリョーズの子で、妹シグニューがいる。竜殺しシグルズの父として最もよく知られる。

神話・物語

シグニューはガウトランドの王シッゲイルに嫁いだ。婚礼の宴のさなか、オーディンが乞食の姿で現れ、ヴォルスングの館を貫いて立つ生木バルンストック(「子の幹」)に剣グラムを突き立てる。抜くことのできた者にこれを与えると告げて去った。抜けたのはシグムンドただ一人であった。

剣を欲しがったシッゲイルは買い取ろうとしたが拒まれる。三月ののち、彼はシグムンドと父ヴォルスング、そして九人の兄弟をガウトランドへ招いた。一行が着くと、ガウト人に襲われる。ヴォルスングは殺され、息子たちは捕らえられた。

シグニューは夫に、殺す代わりに枷に繋いでほしいと願う。シッゲイルは、殺す前に苦しめるべきだと考えてこれを容れた。そして変身する母を狼に変え、毎夜一人ずつ兄弟を食わせる。

シグニューは幾度も策を講じたが失敗し、ついにシグムンドだけが残った。九夜目、彼女は召使いにシグムンドの顔へ蜜を塗らせる。狼が来て蜜を舐め、舌を口に差し入れたところを、シグムンドはその舌を噛み切って殺した。こうして枷を逃れ、森に隠れる。

そののち、シグニューは姿を変えてシグムンドと交わり、シンフィヨトリを産んだ。父と子は狼の毛皮をまとって森に住み、ついにシッゲイルへの復讐を果たす。

シグムンドは晩年、オーディンの槍によって剣グラムを折られ、戦に敗れて死んだ。折れた剣は妻ヒョルディースに託され、のちに鍛え直されて子シグルズの手に渡る。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、ヨハネス・ゲールツ原画《シグムンドの剣》(1889年、F・ダーン/T・ダーン『ヴァルハラ』所収)である。館を貫く木バルンストックに剣を突き立てた、オーディンを思わせる老人を描く。

この英雄の物語は一振りの剣を軸に組み立てられている。木から抜かれた剣によって物語が始まり、その剣が折られることで生涯が終わり、鍛え直された剣が次の世代へ渡る。一振りの武器が三代を貫いている。

木に刺さった剣を抜いた者が王となるという型は、後代のアーサー王伝説とも比較されてきた。ただし両者を結ぶ直接の証拠はない。

系譜と関係

父はヴォルスング、母はフリョーズ。妹はシグニュー、子はシンフィヨトリとシグルズ。

古英語詩『ベーオウルフ』にはシゲムンドの名が現れ、竜を殺した者として語られる。北欧の伝承ではその功が子シグルズに帰されるのに対し、古英語ではシグムンド自身が竜殺しである。伝承が枝分かれした痕跡として、しばしば論じられる。

文化的足跡

ワーグナー『ワルキューレ』の主人公ジークムントは、この人物に基づく。妹ジークリンデとの結びつきから英雄ジークフリートが生まれるという筋は、サガのシグニューとシンフィヨトリの挿話を組み替えたものである。

剣グラムの来歴をたどれば、シグルズの物語はこの人物から始まっている。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。

VǪLSUNGR
ヴォルスング
『ヴォルスンガ・サガ』
フリョーズ
『ヴォルスンガ・サガ』
SIGMUNDR
シグムンド
北欧神話
ヒョルディース
『ヴォルスンガ・サガ』: シグルズの母
ボルグヒルド
『ヴォルスンガ・サガ』: ヘルギの母
SIGURÐR
シグルズ
『ヴォルスンガ・サガ』・『グリーピルの予言』
◆
フリョーズ
『ヴォルスンガ・サガ』
★
SIGMUNDR
シグムンド
北欧神話
◆
ヒョルディース
『ヴォルスンガ・サガ』: シグルズの母
◆
ボルグヒルド
『ヴォルスンガ・サガ』: ヘルギの母
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資料

Wikidata
Q1158552 — 骨格データの出典