テオニム THEONYM · 世界神話アーカイブ 神格を検索
パーレース
PLATE — PALES
ROMA · ローマ神話
PALES

パーレース

パレス · Pales

《パーレース》(女神とニュンペーの連作、1564年、アムステルダム国立美術館蔵) CC0

ローマの羊飼いと家畜の神。性別が男とも女とも定まらず、単数にも複数にもなる。祭パリーリア(4月21日)はローマ建国記念日と一致し、羊飼いが篝火を跳び越えて群れを浄めた。パラティーヌスの語源ともされる。

01

解説

概要

古代ローマの宗教において、パーレース(Pales)は羊飼い、羊の群れ、家畜の神格であった。一部の資料では男性、他では女性とされ、パーレースはラテン語で単数にも複数にもなりえ、少なくとも一度は一対の神格を指す。パーレースはギリシアの神パーン——同じく羊飼いと群れの神——のゆるやかなローマの対応者であった可能性がある。

パリーリア祭

パーレースの祭はパリーリアと呼ばれ、4月21日に祝われた。これはローマ市自体の伝統的な「誕生日」と一致する。祭は羊飼いとその群れの儀礼的な浄化と結びついていた。

羊小屋が掃除され、植物で飾られた。硫黄を用いて篝火が焚かれ、その煙が家畜を浄めた。牛乳、粟、菓子の供物がパーレースに捧げられ、羊飼いは篝火を三度跳び越えた。オウィディウス『祭暦』第4巻がこの祭を詳しく描く。

ローマの建国記念日が羊飼いの祭と一致することは、ロームルスが羊飼いに育てられ、ローマがもと牧人の集落であったという伝承に対応する。ローマ人は自らの起源を、この祭のなかで毎年確認した。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、《パーレース》の版画である(1564年、女神とニュンペーの連作より)。

性別が定まらないという点が、この神格を規定する。ローマの古い神々には、性別が曖昧なもの——シー・デウス・シー・デア(「神であれ女神であれ」)と祈られるもの——があり、パーレースはその代表例である。人格化が進まないまま、職能の名として残った。

関わる神格・伝承

パーンとの対応が指摘される。ファウヌスとも職能が重なる。

パーレースの名は、パラティーヌスの丘の語源ともされる。羊飼いの神の名が、ローマ発祥の丘の名になったという説である。

文化的足跡

パリーリアは、ローマ市の誕生日として、共和政から帝政を通じて祝われ続けた。今日のローマ市も4月21日を建国記念日とする。

02

領分・別名

03

資料

Wikidata
Q654604 — 骨格データの出典