ヌウ
ヌウ · ヌウ・プレハ · Nuʻu
ハワイの伝承において、方舟を造って大洪水を逃れた男。マウナ・ケアの山頂に舟を着け、救われたのを月の力と取り違えて月に供物を捧げたが、創造神カーネが虹を伝って降り、その誤りを告げた。聖書のノアの物語の影響を受けた可能性が指摘されている。
解説
概要
ヌウは、ポリネシアのハワイの伝承に語られる、方舟を造って大洪水を逃れた男である。舟はハワイ島のマウナ・ケアの山頂に流れ着いた。ヌウは救われたのを月の力と取り違えて月に供物を捧げたが、創造神カーネが虹を伝って降りてきて、その誤りを告げたという。方舟、動物、山頂、虹と、聖書のノアの物語と多くの要素が一致しており、キリスト教の影響を受けた可能性が指摘されている。
神話・物語
ヌウは、家族と動物を乗せる大きな舟を造った。やがて大洪水が世界を覆い、水が引いたとき、舟はハワイ島の最高峰マウナ・ケアの山頂にあった。ヌウは、自分を救ったのは月だと考え、月に供物を捧げた。すると創造神カーネが虹を伝って地上に降り、救ったのは月ではなく自分であると告げて、虹を残して天へ帰っていったという。
信仰
方舟、動物、山頂への漂着、虹と、この物語の要素は聖書のノアの物語とよく一致する。記録されたのは19世紀、キリスト教の宣教が始まってからのことである。宣教師の教えが土地の伝承と混じり合ったか、あるいは宣教ののちに形づくられた物語である可能性が指摘されている。ハワイの最初の人間クムホヌアの物語にも、エデンの園との類似が指摘されている。ただし、土地にもとから洪水の伝承があった可能性もあり、全体を聖書の翻案と断定することもできない。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
カーネに誤りを正された。洪水の伝承は太平洋の各地にあり、フィジーの蛇の神デンゲイも大洪水を起こしたと語られる。
なおポリネシアの伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。