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メルセゲル
PLATE — MRT-SGR
AEGYPTVS · エジプト神話
MRT-SGR

メルセゲル

メルトセゲル · メルセグリト · 西の頂

Jeff Dahl, CC BY-SA 4.0 CC BY-SA 4.0

テーベの墓域と王家の谷を守るエジプトのコブラの女神。名は「沈黙を愛する者」を意味する。デイル・エル=メディーナの職人たちが罪の赦しを乞うた相手である。

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解説

概要

メルセゲル(Mrt-sgr)は、エジプト神話のテーベの蛇(コブラ)の女神である。ナイル西岸に広がるテーベの墓域、とりわけ厳重に守られた王家の谷を守護した。祭祀は新王国期に特徴的で、その盛期は第18王朝である。

名は「沈黙を愛する者」と解される。墓域の砂漠が保つ静けさを指すという説と、「沈黙を作る者(オシリス)に愛されし者」と読む説がある。

神話・物語

この女神は、王家の谷の墓を築き装飾したデイル・エル=メディーナの職人と労働者の守護神である。

その成立の事情がはっきりしている。豪華な王墓の盗掘は古王国の時点で既に進行しており、しかもときに職人自身の手によっていた。誰かが墓を守らねばならない——危険であると同時に慈悲深い守護の女神を求める、現場からの自然な要求が、この神格を生んだ。神学が上から定めた神ではなく、盗掘という具体的な問題への応答として現れている。

職人組合はこの女神を篤く祀り、その怒りを大いに恐れた。王墓から物を——とりわけ貴重な銅の道具を——盗んだ者、誓いを破った者には、女神が咬みついて毒を注ぐと信じられた。同時に、赦しにおいては寛大であるとされた。

その両面を伝えるのが職人ネフェルアブの奉献碑である。そこには自らの過ちを告白し、女神の罰を受けたこと、そして赦しを乞う言葉が刻まれている。神への私的な告白と悔悛の記録として、古代エジプトでも数少ない資料にあたる。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、エジプト学の慣行に沿って描かれた線図である。コブラの姿、あるいはコブラの頭を持つ女として表される。

この女神には大きな神殿がない。地方神であったため、王妃の谷へ至る道に設けられたような小さな岩窟の祠、祈りと切実な赦しの願いを刻んだ奉献碑、そして丘の麓に置かれた小祠がその祭祀のすべてである。

丘そのものが女神の体であった。今日エル・クルン(「角」)と呼ばれる自然の峰——古代名タ・デヘネト(「頂」)、標高420メートル、テーベ丘陵の最高点——が、王家の谷を見下ろしている。谷の入口から望むとほぼピラミッドの形に見えることから、この峰こそが王家の墓域の位置を決めた理由だと考えるエジプト学者もいる。エル・クルンはドゥアトへの入口の一つとも信じられ、メルセゲルとハトホルの双方にとって聖なる場所であったが、峰そのものの人格化とみなされたのは前者である。「西の頂」(デヘネト・イメンテト)「頂の女主」がその添え名にあたる。

関わる神格・伝承

ハトホルと結びつけられた。ハトホルもまた葬送の相において「西方の女主」「墓域の女主」と呼ばれ、冥界の門を開く女神とされたためである。

デイル・エル=メディーナの職人たちが奉献碑を捧げた相手は、この女神のほかにプタハアメン、ハトホル、トート、そして神格化されたファラオ・アメンヘテプ1世であった。国家祭祀の神々と、村の守護神が同じ棚に並んでいる。

文化的足跡

王家の谷との結びつきが強すぎたことが、この女神の運命を決めた。谷が使われなくなり、テーベが首都でなくなると——前11世紀から10世紀にかけて——祭祀もまた絶えた。地方神が地方神のまま終わった例である。

だからこそ、この女神をめぐる資料には他に見られない性質がある。王のためでも神殿のためでもなく、墓を掘る職人自身が、自分の罪と病を訴えて刻んだ碑が残っている。エジプトの宗教を国家祭祀の側からではなく、働く人の側から見るとき、この女神の名は避けて通れない。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q846288 — 骨格データの出典
Commons
Meretseger — 図像カテゴリ