メードス
メドス · Medus · Mēdos
アイゲウスとメーデイアの子でテーセウスの異母弟。母とともにアテーナイを追われ、コルキスへ渡り、のちに周辺諸国を征服してメーディアを建国したとされる名祖。
解説
概要
メードス(Μῆδος / Medos)は、メーデイアとアテーナイ王アイゲウスの子で、テーセウスの異母弟にあたる。イラン高原のメーディア人の名祖とされた。
神話・物語
イアーソーンに棄てられ、コリントスで復讐を遂げたメーデイアは、アテーナイへ逃れてアイゲウスの妻となり、メードスを産んだ(アポロドーロス1.9.28)。
やがてトロイゼーンで育ったアイゲウスの実子テーセウスがアテーナイに現れる。メーデイアは若者の素性に気づき、息子の王位を守るため、夫をそそのかして彼を毒殺させようとした。父が剣を見て我が子と気づき、杯を払いのけたため企ては破れ、メーデイアはメードスを連れてアテーナイを追われた。
母子は東へ向かった。メードスは周辺の多くの蛮族を従えて王となり、その地はメーディアと名づけられた。インド遠征の途上で死んだとも伝えられる。別の伝えでは、母子はコルキスに戻り、祖父アイエーテースから王位を奪っていた叔父ペルセースを倒して王権を取り戻した(ディオドーロス4.56)。
ヘーシオドス『神統記』(1001行)は、メーデイアがイアーソーンとのあいだにメーデイオスを産み、ケイローンが山で育てたと記す。ヘーロドトス(7.62)は、メーディア人がかつてアリオイと呼ばれ、メーデイアがアテーナイから来てから名を改めたと伝える。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
父はアイゲウス(ヘーシオドスではイアーソーンの子メーデイオス)、母はメーデイア。異母兄はテーセウス。
文化的足跡
ギリシア人は、東方の大国の民の起源を自分たちの神話の人物に結びつけて説明した。ペルシア人をペルセウスの子ペルセースの子孫とする説明(ヘーロドトス7.61)と並ぶ例である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。