マフイカ
マフイカ · Mahuika
マオリの火の神格で、手の五本の指にちなんで名づけた五人の子を持つ。孫のマウイに欺かれて爪を一枚ずつ与え、最後に怒って火を放ったが雨に消された。消える寸前に残り火を木に投げ入れ、以来火は木のなかにあるという。
解説
概要
マフイカは、マオリの火の神格で、神アウアヒトゥーロアの配偶者である。一部の版では、死の女神ヒネ・ヌイ・テ・ポの妹とされる。マウイ(版によってはその孫)が火を作る秘密を得たのは、マフイカからであった。
神話・物語
マフイカはアウアヒトゥーロアと結婚し、人の手の五本の指にちなんで名づけられた五人の子をもうけた。子らはまとめてンガー・マーナワと呼ばれる。指(トロプク)と火の結びつきは、マウイがマフイカを欺いて、その爪を一枚ずつ与えさせ、火を得る物語のなかに表れている。
広く語られる版では、マウイは火がどこから来るのかを知ろうとして、村の火をすべて消し、祖母マフイカのもとへ火をもらいに行った。マフイカは爪を一枚ずつ抜いて与えたが、マウイは火を消しては戻ってきた。ついに欺かれていると気づいたマフイカは、最後の爪を地に投げつけ、火が燃え広がってマウイを追った。マウイは鷹に姿を変えて逃れ、雨を呼んで火を消させた。消える寸前に、マフイカは残り火を木々のなかに投げ入れ、以来、火は木のなかにあり、木をこすれば火を起こせるのだという。
マフイカは、地震と噴火の神ルーアウモコに頼んで自分を呪った夫婦を滅ぼさせ、ランギトト島の形成にもかかわったとされる。
図像と象徴
主画像は、W・ディットマー『テ・トフンガ』(1907年)の挿画である。
系譜と関係
夫はアウアヒトゥーロア、子はンガー・マーナワ。版によってはヒネ・ヌイ・テ・ポの妹、マウイの祖母とされる。
ニュージーランドの一部では、マフイカは男神とされる。熱帯ポリネシアの一部でも同じで、トゥアモトゥ諸島やマルケサス諸島では、マフイカは冥界に住む火の神で、マウイの祖父でもあり、マウイは彼と組み打ちをして火の秘密を手に入れた。ポリネシアのほかの地域では、似た神格がマフィエ、マフィケ、マフイエ、マフイケなどの名で知られる。
文化的足跡
2019年にニュージーランドで発行された硬貨に描かれた。
なおマオリの伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその神格の伝承に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。