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ラウマ
PLATE — LAUMĖ
SLAVI · スラヴ神話
LAUMĖ

ラウマ

ラウメ · ラウメー · ラウマ

ロマス・ヴェンツクス《ラウメ——善き魔女》(1980年、木彫)/撮影: Raki_Man, CC BY 3.0 CC BY 3.0

バルト神話の森の精にして孤児の守護霊。もとは天の精で、人の苦しみへの憐れみから地上に降りたという。機織りと紡ぎに長け、虹はその落とした帯と呼ばれた。

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解説

概要

ラウマ(ラトビア語 Lauma、リトアニア語 Laumė)は、バルト神話の森の精であり、孤児の守護霊である。

もとは天の精であったが、人の苦しみへの憐れみから地上に降り、人と運命を共にするようになったという。

本サイトでは、バルトの神格を体系区分の都合上スラヴの項目としてまとめている(当DBに baltic のコードがないため)。バルト諸語はスラヴ諸語と系統を分かつ独立した語派であり、両者の神話も別のものである。

登場する物語

ラウメスはリトアニア神話で最も古い女神たちとされる。その像が形づくられたのは、氷期の直後、中石器時代にまで遡るのではないかとも言われる。

姿は一定しない。獣の形をとることがあり、牝馬、牝山羊、熊、犬として現れた。のちには人の形をとるようになるが、足は鳥の鉤爪で、頭あるいは下半身が牝山羊であることが多い。半人半犬、半人半馬の姿もあり、ケンタウロスに似る。キュクロープスのように目が一つしかないこともあった。乳房は大きく、乳首は石でできている。地面から見つかる矢石(ベレムナイト)の化石は「ラウメの乳首」と呼ばれた。

男にも女にも危険な存在である。糸を失ったラウメは、代わりに女の髪や腸や血管を使い、まず致命的な抓りで殺してから骨を挽いた。男に対しては深い欲を抱く。誘い、疲れ果てて倒れるまで愛し、そののち身体を食べる。ギリシアのラミアーに似た性格である。ラウメスは巨大な牝牛を飼っており、誰でもその乳を搾ることができたという。ただし厳しい寒さのあとに牛は死んだ。矢石の化石は、その乳房の名残と考えられた。鉄でできた道具を恐れる。

天の女神としての相もある。ラウメは雲に住み、金剛石の玉座を持つ美しい女神であった。雷神ペルクーナスの妻とするいくつもの伝えがある。別の話では、花嫁は悪魔ヴェルニアス(トゥオリウス)に奪われた。またある伝えでは、ペルクーナスの花嫁はヴァイヴァという名のラウメであった。虹はヴァイヴァの帯と呼ばれる。

地上に降りたラウメスは、湖のほとり、打ち捨てられた風呂小屋、湖の島、深い森に住んだ。リトアニアの水場の名の多くにラウメの語が含まれる。新月あるいは満月の夜、露の降りる川辺や湖畔や草地に集まって踊り、草の上に輪を残した。新月の金曜日、月のうちで最も雨の多い日に力が強かった。歌い、踊り、呪うことで雹や嵐や雨を起こす。

図像と象徴

古い図像は伝わらない。本サイトが掲げるのは、ロマス・ヴェンツクスが1980年に制作した木彫《ラウメ——善き魔女》である。リトアニアの民俗美術の伝統を継ぐ現代の作例であり、この存在が今日どう思い描かれているかを示す。

象徴の中心にあるのは糸である。ラウメスは女の仕事を完璧にこなし、とりわけ機織りと紡ぎに長けていた。虹はしばしば、ラウメスが落とした帯と呼ばれる。糸を失えば人の髪や腸を代わりに使うという細部も、この属性から出ている。紡ぐことと殺すことが、同じ一つの手仕事のうちに置かれている。

三人一組で現れることが多い。この点はマトレスや北欧のノルンをはじめとする、ヨーロッパに広く見られる三柱一組の女神像と重なる。

関わる神格・伝承

ペルクーナスの妻とされる伝えがある。ライマ(運命)、ライメー(幸運)としばしば混同されるが、原則としては別の存在である。

子どもを愛し、勤勉を尊ぶ性格も伝えられる。孤児の守護霊とされるのはこのためである。危害を加える存在と守護する存在の境が引かれていないという点は、ヨーロッパの妖精伝承に共通する特徴でもある。

文化的足跡

リトアニアとラトビアの地名に、この名は数多く残る。湖、沼、川——水に関わる場所の名にとりわけ多い。

ラウメスの歌は、19世紀まで婚礼の際に歌われ続けた。娘たちが輪になって踊り、一人が中央に立つ。この踊りと歌は雨を呼ぶともされた。伝承上の存在の名が、実際の儀礼の名として生き続けた例である。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q604039 — 骨格データの出典
Commons
Lauma — 図像カテゴリ