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PLATE — ЛАМЯ
SLAVI · スラヴ神話
ЛАМЯ

ラミヤ

ラミャ · ラミヤータ · ラムニャ

ブルガリアの民間伝承に語られる巨大な雌の竜。膜状の翼と黄色い鱗を持ち、蛇の首に犬の頭を戴く。川や井戸の水を堰き止め、生贄を要求する。聖ゲオルギオスに討たれる。

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解説

概要

ラミヤ(ブルガリア語 ламя、複数形 лами)は、ブルガリアの民間伝承に語られる巨大な雌の爬虫類である。膜状の翼、黄色い鱗、鋭い爪と歯を持ち、蛇のような首の上に犬の頭が一つ、あるいは複数——多くは三つか九つ——載っている。口は人や獣を丸呑みにできるほど大きい。

名はギリシア語のラミア(Λάμια)から来ており、ギリシアのラミアーと同源である。ただし性格は別物になっている。ギリシアのラミアーが子を食う女怪であるのに対し、ブルガリアのラミヤは水を堰き止めて旱魃を起こす竜であり、英雄と聖人に討たれる相手である。

登場する物語

住まいは湖や海の底、あるいは人の入らない森である。洞窟には金銀と宝石を蓄えている。井戸や川や湖の水を止める力を持ち、これはサモディヴァたちの力と同じである。

水を止めたラミヤをなだめるには、人を差し出して食わせるほかない。渇きに苦しむ村が生贄を出し、そこへ英雄が現れて首を切り落とす——という筋が、民謡と昔話に繰り返し現れる。討ち取るのはクラリ・マルコ、ブランコ勇士、フラブロ勇士といった英雄たちである。恐ろしい姿の割に、彼らはたやすく勝つ。

ただし始末には作法がある。切り落とした首を雄牛の角に挿しておくと、四十日後に首と角が癒着して新たな蛇になる。ラミヤの生まれ方をこの手順で説明する伝えもあり、ポーランド語の紹介はこちらを出自として記す。

ブルガリアで最もよく知られるのが、聖ゲオルギオスと三つ頭のラミヤの話である。聖人が槍で討ち取ると、その体から三つの川が流れ出す。乳の川、葡萄酒の川、麦の川である。異伝では蜂蜜と油が加わる。旱魃をもたらす者を倒すと、水どころか糧そのものが溢れ出す。この筋は教会の壁画にも広く描かれた。

天候の側面もある。ラミヤの敵はズマイ(змей、竜)である。ズマイは実りを守り、ラミヤはそれを滅ぼそうとして、両者は空で戦い続ける。そのとき雷が鳴り、稲妻が走り、雹が降り、篠突く雨になる。民間の創作では、ラミヤは暗い霧や、破壊的な強風の姿でも描かれた。

図像と象徴

民間美術にラミヤを単独で描いた古い作例は知られていない。本項では主画像を置いていない。教会壁画に描かれた「聖ゲオルギオスが討つ竜」がこれにあたると民俗の側では理解されてきたが、図像そのものは正教会の標準的な竜退治図であり、ラミヤの肖像として提示できるものではない。

象徴の中心は水の遮断である。この怪異の害は、噛むことでも焼くことでもなく、川と井戸を止めることにある。旱魃という、原因の見えない災いに姿と意志を与えたものと読める。倒したあとに川が流れ出すという結末が、その読みを裏づけている。

犬の頭という細部は、ギリシアのラミアーにもスキュラにも通じる古い意匠である。首の数が三つや九つになる点は、スラヴの竜一般と共通する。

関係する神格・退治した英雄

ラミヤの像は、しばしばアラ(ハラ)の像と混ざり合う。アラもまた雹をもたらす悪しき存在であり、ズマイと空で戦う。セルビア南部と北マケドニアではラミヤ由来のラムニャがアラの同義語として用いられ、ブルガリアでは両者が別の存在として残りながら、記述の重なりは大きい。バルカン半島で、スラヴが持ち込んだ悪天候の魔物とギリシア由来の女怪とが融合した結果と考えられている。

対立するズマイは、東スラヴの火の蛇とは性格が異なる。あちらは女のもとへ通う悪霊であり、こちらは畑を守る側に立つ。同じ「蛇」の語を負いながら、東と南で役割が入れ替わっているわけで、レフキエフスカヤらが両者を一つの形象として扱うべきでないとするのはこのためである。

ラミヤへの信仰は比較的早く消えた。19世紀末の記録が、すでにその衰えを伝えている。ただし宗教の側では、聖ゲオルギオスが討った竜として今日まで生き続けている。民間信仰としては死に、教会図像のなかで生き延びたという珍しい経路をたどった。

文化的足跡

ブルガリア語では、貪欲な者や大食漢を指してラミヤの名が用いられる。聖ゲオルギオスの日(5月6日、ギョルギョヴデン)はブルガリアで最も大きな祝祭の一つで、その由来譚として三つ頭のラミヤの話が語られてきた。

日本語圏では、ギリシアのラミアーと混同されて紹介されることが多い。名は確かに同じところから来ているが、ブルガリアのラミヤは子を奪う女怪ではなく、水を止める竜である。ギリシアからバルカンへ渡るあいだに、この名が何を指すかが入れ替わった。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q12284666 — 骨格データの出典