コロチュン
コロチュン · カラチュン · クラチュン
スラヴ語で冬至とクリスマスにあたる時期を指す語であり、同時に人の寿命を縮め突然の死をもたらす霊をも指す。「カラチュンが来た」は今日のロシア語で「終わりが来た」を意味する俗語である。ハンガリー語・ルーマニア語ではクリスマスの名になった。
解説
概要
コロチュン(クラチュンとも)は、スラヴ語のいくつかで冬至からクリスマスにかけての時期を指す言葉であり、ルーマニアやハンガリーでもクリスマスの一般的な呼び名になっている。同時に、人の寿命を縮め、とりわけ突然の死をもたらす悪しき霊の名でもある。今日のロシア語の俗語で「カラチュンが来た」と言えば、「終わりが来た」「死んだ」という意味になる。
なお本サイトの分類では、スラヴ神話の体系に含めて扱う。
最も短い日
コロチュンは、一年で最も昼が短い冬至の頃にあたる。名は「短い」を意味する語に由来するとする説と、「歩み」を意味する語に由来するとする説があるが、定まってはいない。記録の上での初出は、『ノヴゴロド第一年代記』の1143年の条が冬至をこの名で呼んだ例である。
突然の死の霊
一年で最も闇の長い冬至の頃は、死と結びつけて考えられた。コロチュンは人の命を縮める霊とされ、「カラチュンに連れていかれろ」という呪いの言葉も伝わる。その名は今日のロシア語やウクライナ語で、死や終わりを表す俗語として残っている。神の名が普通の言葉になった例としては、中国の旱の女神女魃や、スラヴの熱病の霊リホラトカも同じである。
コロチュンを暗黒の神チェルノボグと結びつける説もあるが、チェルノボグ自体が資料の乏しい神である。冬至の神としてのコロチュンを体系立てて位置づける見方には、19世紀以降に組み立てられた部分が含まれている。
パンになった名
ウクライナ西部のガリツィアでは、クリスマスに焼く儀礼のパンもクラチュンと呼ばれた。ハンガリー語のカラーチョニ、ルーマニア語のクラチュンは、祝日そのものの名として定着している。祝日の名とパンの名、そして死の霊の名が、同じ一つの言葉で呼ばれているのである。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
関わる伝承
冬至の祝祭をボジッチと分け合う。ジェド・マロースの背景にあるとする説もある。
文化的足跡
「カラチュン」の語は、今日のロシア語やウクライナ語で俗語として使われている。
なおスラヴの民間伝承は今日も語り継がれており、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。