迦葉仏
かしょうぶつ · カッサパ仏 · カーシャパ仏
過去七仏の第六で、釈迦の直前の仏。サールナートに生まれ同地で初転法輪を行い、釈迦の聖地と重なる。釈迦の弟子摩訶迦葉とは別。ミャンマーではシュエダゴン・パゴダに遺物が祀られると伝わる。
解説
概要
迦葉仏(パーリ語 Kassapa、サンスクリット語 Kāśyapa)は、パーリ三蔵の『仏種姓経』第二十四章に記される古代の仏の一人である。サールナートの鹿野苑に生まれ、のちにそこで最初の説法を行った。
現在の劫における、ゴータマ・ブッダの直前の仏である。ただし迦葉仏はゴータマよりはるか以前に生きた。
なお、釈迦の弟子である摩訶迦葉とは別の存在である。名は同じカーシャパだが、迦葉仏は過去仏、摩訶迦葉は釈迦の十大弟子の一人である。
伝承
上座部仏教の年代記によれば、迦葉仏は二十九の名を持つ仏のうち第二十七、過去七仏の第六、そして現在の劫の千二仏の第三である。
父はバラモンのブラフマダッタ、母はダナヴァティーであった。尼拘律樹(ベンガル菩提樹)の下で成道した。寿命は二万歳であったという。
『大本経』によれば、迦葉仏の時代、ゴータマ・ブッダの前世はジョーティパーラという青年で、友人に誘われて迦葉仏に会い、出家したという。
図像と象徴
固有の図像は乏しく、本サイトも主画像を掲げない。
釈迦の直前の仏という位置が、この仏を規定する。サールナートで生まれ、サールナートで最初の説法を行った——釈迦が最初の説法を行った場所と同じである。二人の仏の聖地が重なることで、過去仏と現在仏の連続性が示されている。
過去七仏のうち、この仏だけが釈迦と同じ場所に結びつく。
関わる神格・伝承
過去七仏の第六。賢劫の第三仏。前に倶那含牟尼仏、次に釈迦仏が続く。
ミャンマーの伝承では、迦葉仏の遺骨がシュエダゴン・パゴダに納められているとされる。パゴダには過去四仏——倶留孫・倶那含牟尼・迦葉・釈迦——の遺物が祀られていると伝えられる。
文化的足跡
ミャンマーの仏教において、迦葉仏は釈迦とともに広く信仰され、シュエダゴン・パゴダの伝承を通じて今日も参詣の対象である。
なお仏教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその尊格の伝承と図像に関する学術的な整理である。