寿老人
じゅろうじん · 寿星 · 南極仙翁
道教の神仙で南極老人星の化身。七福神の一柱で、長い頭の白髭の老人が瓢箪と桃を持ち鹿を従える。福禄寿と同一視されるため七福神から外されることもあった。宋代の図像に遡る。
解説
概要
寿老人(じゅろうじん)は道教の神仙である。中国の伝説上の人物。南極老人星(カノープス)の化身とされる。七福神の一柱。
真言(サンスクリット)は「オン バザラユセイ ソワカ」(普賢菩薩の延命呪と同じ)。
性格
酒を好み、頭の長い長寿の神とされる。日本では七福神として知られているが、福禄寿はこの寿老人と同一神と考えられていることから、七福神から外されたこともあり、その場合は猩猩が入る。
寿老人は不死の霊薬を含んでいる瓢箪を運び、長寿と自然との調和のシンボルである牡鹿を従えている。手には、これも長寿のシンボルである不老長寿の桃を持っている。
南極老人星
南極老人星はカノープス(りゅうこつ座アルファ星)の中国名で、全天で二番目に明るい恒星である。中国北部からは地平線近くにしか見えず、この星が見えると天下太平、見えなければ兵乱が起こると信じられた。
中国では宋代以降、この星を長寿の神として人格化し、寿星、南極仙翁と呼んだ。頭の長い老人の姿は、宋代の図像に遡る。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、寿老人の図である(17世紀)。
白い髭の老人が、長い頭を持ち、杖と巻物を携え、鹿を伴う姿で表される。頭が長いのは、長寿によって頭蓋が伸びたという民間の解釈による。鹿は千年を生きるとされ、長寿の象徴である。
同じ図像がモンゴルのサガーン・ウブグン(白い長老)にも見られ、東アジアから内陸アジアにかけて、白髭の長寿の老人という造形が共有されている。
関わる神格・伝承
七福神の一柱。福禄寿と同一視される。南極老人星の化身。
福禄寿と寿老人がともに南極老人星の化身とされることから、日本の七福神では両者の区別が曖昧である。江戸時代の七福神の構成は一定せず、寿老人の代わりに猩猩や吉祥天が入ることもあった。
文化的足跡
七福神の一柱として、日本の正月の七福神詣で参拝される。鹿を連れた長頭の老人という姿は、日本の絵画や工芸に広く描かれた。
なお道教と七福神信仰は、今日も継承されている生きた信仰である。