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イフリート
PLATE — عفريت
ABRAHAMICA · 一神教の伝承
عفريت

イフリート

イフリート · エフリート · アフリート

『ハムザ・ナーマ』の挿画。ディーヴのアルガンがハムザに鎧の箱を運ぶ(ブルックリン美術館蔵) PUBLIC DOMAIN

イスラーム世界の伝承に現れる強大な霊。クルアーンではソロモンに仕える「ジンのなかのイフリート」として一度だけ現れ、のちに独立した種族の名となった。非業の死を遂げた者の血から生じる霊ともされ、エジプトでは今日も死者の霊を指す語である。

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解説

概要

イフリートは、イスラーム世界の伝承に現れる、強大な力を持つ霊である。クルアーンにはソロモン王に仕える「ジンのなかのイフリート」として一度だけ現れ、そこでは「強力な」を意味する形容として用いられているが、後の伝承で独立した種族の名となった。非業の死を遂げた者の霊ともされ、今日のエジプトでは死者の霊を指す日常の言葉として使われている。『千夜一夜物語』には、壺に閉じ込められた巨大なイフリートがたびたび登場する。アブラハムの宗教の体系に含めて扱う。

神話・伝承

クルアーン27章39節で、ソロモンがシバの女王の玉座を運ばせようとしたとき、「ジンのなかのイフリート」が、「あなたが席から立ち上がる前に、わたしがそれをお持ちしましょう」と申し出る。ここでのイフリートは種族の名というより、「強力な者」を意味する形容であった。後の伝承のなかで、これが独立した種族の名として扱われるようになったのである。

イフリートは、しばしば亡くなった人の霊とされる。とりわけ非業の死を遂げた者の血から生じるとされ、殺人のあった場所に留まって復讐を求めるという。今日のエジプトでは、「アフリート」は死者の霊を指す日常の言葉である。その出現を防ぐため、血の流れた場所に新しい釘を打つという習わしも伝わっている。

『千夜一夜物語』には、煙となって壺から現れる巨大なイフリートがたびたび登場する。人の願いを叶えることもあれば、人を殺そうとすることもある。漁師と壺の物語では、長いあいだ壺に閉じ込められていたイフリートが、はじめの百年は救ってくれた者を富ませようと考え、次の百年は宝を与えようと考えたが、誰にも救われないまま時が過ぎ、ついに救ってくれた者を殺そうと決めたと語る。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、『ハムザ・ナーマ』の挿絵で、ディーヴのアルガンがハムザに鎧の箱を運ぶ場面(ブルックリン美術館蔵)である。イスラームの美術では、イフリートはペルシアの悪しき存在ディーヴの図像で、まだらの肌と角、牙を持つ姿で描かれることが多い。

系譜と関係

ジンの一種であり、マーリドと並ぶ。

文化的足跡

「イフリート」の名は、日本のゲームなどで火の精霊の名として用いられている。

なおユダヤ教・キリスト教・イスラームは今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその伝承と観念の歴史に関する学術的な整理である。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q936678 — 骨格データの出典