ヒュプセウス
ヒュプセウス王 · Hypseus
ラピテース族の王でペーネイオスの子。娘キューレーネーはアポローンに愛されてアリスタイオスを産み、別の娘の孫がイクシーオーンである。ケンタウロスと農耕神の双方の祖。
解説
概要
ヒュプセウス(Ὑψεύς / Hypseus)は、テッサリアのラピテース族の王である。河神ペーネイオスとナーイアスのクレウーサの子で、娘キューレーネーはアポローンに愛されてリビュアのキューレーネー市の名祖となった。
神話・物語
ピンダロス『ピューティア祝勝歌』第9歌は、ヒュプセウスを「猛きラピテースの王」と呼び、その娘キューレーネーの物語を歌う。キューレーネーは糸紡ぎや女の宴を好まず、父の牛を守るため、槍と剣でペーリオン山の獣と戦っていた。素手で獅子と組み打つ彼女を見たアポローンは恋に落ち、黄金の車で彼女をリビュアへ運んで、その地の女主人とした。二人の子が養蜂の祖アリスタイオスである。
ヒュプセウスにはほかにテミストーとアステュアギュイアという娘がいた。テミストーはボイオーティアの王アタマースの三番目の妻となった。アステュアギュイアはラピテース族のペリパースに嫁ぎ、その孫がイクシーオーンであるとする系譜がある(ディオドーロス4.69)。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
父はペーネイオス、母はクレウーサ。姉妹にスティルベー。娘はキューレーネー、テミストー、アステュアギュイア。孫にアリスタイオス。
ペーネイオスの娘とされるダプネーとはきょうだいにあたり、同じ河神の家から、アポローンに追われて逃れた娘と、アポローンに見初められて母となった娘が出ていることになる。
文化的足跡
ピンダロスの第9歌は、キューレーネー出身の武装競走の勝者テレシクラテースのために作られた。町の名祖の物語を、勝者の故郷への讃美として用いた例である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。