后土
こうど · 后土皇地祇 · 后土娘娘
中国の大地の神で、天の玉皇大帝と対をなす。「皇天后土」の対句で天地の神として並べられる。先秦から漢では男神、宋代以降は女神として理解された。北京の地壇で国家祭祀が行われ、墓の守護神としても祀られる。
解説
概要
后土(こうど)は、中国の大地の神である。道教では后土皇地祇と称され、四御の一柱に数えられる。
天を司る玉皇大帝に対し、地を司る神である。「皇天后土」——皇天と后土——という対句は、天地の神を並べて誓いを立てる際に用いられる。
性格と性別
后土の性別は、時代によって変わった。
先秦から漢代にかけては男神とされ、共工の子とする伝承がある。『左伝』は共工の子句竜が后土となったと記す。
宋代以降、后土は女神として理解されるようになった。大地が母であるという観念による。道教では后土娘娘とも呼ばれ、女神として祀られる。
男神から女神への転換は、大地を母とする観念が定着した過程を示している。
祭祀
漢の武帝は前113年、汾陰に后土祠を建てて祀った。以後、歴代王朝は天壇で天を、地壇で地を祀った。北京の地壇(1530年建立)は、后土を祀る国家祭祀の場である。
天を円形の壇で、地を方形の壇で祀るのは、「天円地方」の観念による。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。道教の神像としては、冠を戴き笏を持つ皇后の姿で表される。
墓の守護神としての性格もある。中国の墓には「后土」と刻んだ小さな石碑が立てられ、土地の神として祀られる。台湾と華南で今日も一般的な習俗である。
関わる神格・伝承
四御の一。玉皇大帝と対をなす。共工の子句竜とする説がある。孫は夸父。
日本の堅牢地神、仏教の地天(プリティヴィー)と職能を共有する。
文化的足跡
「皇天后土」は、天地に誓う際の定型句として、中国の文学と日常語に定着している。
なお中国の民間信仰と道教は今日も継承されている生きた信仰であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。