ハルシッディ
ハルシッディ · ハルシッディ・マーター · Harsiddhi
ドゥルガーの一相で、グジャラートとマディヤ・プラデーシュの女神。伝説の王ヴィクラマーディティヤが十二年ごとに自らの首を捧げ、十一度戻されたが十二度目に死んだという。海岸の寺院では女神の視線が船を沈めたため像を内陸へ向けさせ、今は海に背を向けて漁民を守る。
解説
概要
ハルシッディは、ヒンドゥー教でドゥルガーの一つの姿とされる女神で、インド西部のグジャラート州や中部のマディヤ・プラデーシュ州、隣接するマハーラーシュトラ州で広く信仰されている。多くの家系が家系の守護女神として祀り、グジャラートの漁民や海に出る人々には、海の守り手として敬われている。伝説の王ヴィクラマーディティヤが、自らの首を十一度も捧げたという物語でも知られる。
信仰
ハルシッディの主な寺院は、マディヤ・プラデーシュ州の古都ウッジャインと、グジャラート州の海岸、ポールバンダル近くのハルシャドにある。ハルシャドの寺院は丘の上に建ち、海を見下ろしている。
神話・物語
ウッジャインの伝説の王ヴィクラマーディティヤは、ハルシッディを篤く信仰した。伝承によれば、王は十二年ごとに自らの首を女神に捧げ、女神はそのたびに首を元に戻した。こうして十一度まで首は戻されたが、十二度目には戻らず、王はそこで命を終えたという。
伝承によれば、ハルシャドの女神の視線が海を行く船に向けられると、その船は沈んでしまった。これを憂えた者が祈り、女神の像を内陸の方へ向けさせた。今日、寺院の女神は海に背を向けている。以来、女神は漁民や船乗りの守り手として祀られるようになった。
図像と象徴
主画像は、ハルシッディ女神の図である。
系譜と関係
ドゥルガーの一つの姿であり、ヴィクラマーディティヤに信仰された。
文化的足跡
ウッジャインのハルシッディ寺院は、シャクティ・ピータの一つに数えられることがある。
なおヒンドゥー教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。