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グリーラ
PLATE — GRÝLA
NORÐR · 北欧神話
GRÝLA

グリーラ

グリラ · グリューラ · Grýla

Andrii Gladii(2017年、アークレイリ/CC BY-SA 4.0) CC BY-SA 4.0

アイスランドの民間伝承に語られる鬼婆。聞き分けのない子どもを袋に入れて持ち去り、大鍋で煮て食うとされる。十三人のユールラッズの母であり、ユールキャットの飼い主でもある。

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解説

概要

グリーラ(Grýla)は、アイスランドの民間伝承に語られる鬼婆である。荒野に住み、言うことを聞かない子どもを袋に入れて持ち去り、大鍋で煮て食うとされる。今日では十三人のユールラッズ(ヨウラスヴェイナル)の母、そしてユールキャットの飼い主として知られる。

北欧神話の神格ではない。名は中世の文献に遡るが、クリスマスと結びついた姿が現れるのは17世紀以降であり、本サイトでは体系区分の都合上ゲルマン系の項目としてまとめている(ユールキャットやグレンデルと同じ扱い)。

登場する物語

名そのものは古い。『詩語法』末尾の名の一覧に、女トロールを指すヘイティの一つとしてグリーラが挙げられている。14世紀初頭の『スノッリのエッダ』のある写本には「グリーラのヘイティ」の一覧があり、そこに並ぶのは狐を指す語である。この段階で何を指す名だったのかは、確実には言えない。

はっきりした姿を現すのは17世紀の詩においてである。そこでのグリーラは、醜く強欲なトロールめいた老婆で、人里のあいだをさまよい、出会った者に施しを求める——しばしば、聞き分けのない子どもをよこせと言う。クリスマスと結びつく最古の資料は、1638年から1644年ごろに成立したとみられる『グリーラの歌』(Grýlukvæði)で、スレットゥフリーズのフェットル教区の牧師グズムンドゥル・エルレンズソンと、その義兄弟で農夫かつリームル詩人のアウスグリームル・マグヌースソンの共作とされる。数年後の1648年から1649年ごろ、詩篇作者として名高い牧師ハトルグリームル・ペートゥルソンが『レッパルージの歌』を作り、そこで怠惰で不愉快な夫レッパルージが登場する。ヴァトラネースのステファウン・オーラフソンにも別の『グリーラの歌』がある。

つまり今日知られるグリーラ像は、17世紀アイスランドの聖職者と農民詩人たちが、数十年のあいだに書き重ねたものである。

図像と象徴

中世に遡る図像はない。本サイトが掲げるのは、アークレイリの街頭に置かれたグリーラとレッパルージの造形を2017年に撮影した写真である。鉤鼻と疣だらけの顔、頭巾、継ぎ接ぎだらけの毛織物——現代アイスランドがこの夫婦をどう見せているかを示す資料として掲げている。中世の造形が存在しない以上、現代の造形を掲げるほかない。

伝承が伝える姿は一定しない。尾の数、目の数、角の有無は語り手によって違う。共通するのは、大鍋と袋、そして常に飢えているという一点である。持物が調理具であることに、この存在の機能がよく表れている。

テリー・ガンネルは、グリーラを北大西洋一帯の仮装習俗と結びつけて論じる。この地域には類似の存在がいくつも見られ、それらは仮面や変装を伴う行事と結びついているのが常である。ガンネルが挙げる対応物は必ずしも女性ではなく、グリーラももともとは男の怪物として考えられていた可能性がある。実際、17世紀のある詩は、クリスマスではなく夏に農場のあいだをさまようグリーラを描き、この存在を両性具有として記している。今日の「クリスマスの鬼婆」という像は、いくつもあった可能性のうち一つが定着したものである。

関わる伝承

夫はレッパルージ。伝承によっては三人目の夫とされ、先の夫たちは彼女に食われたともいう。十三人の息子がユールラッズで、この結びつきが前面に出るのは近代以降である。20世紀に入ってからは、ユールキャットもこの家の飼い猫とされるようになった。ミーヴァトン湖畔の溶岩原ディンムボルギルを住処とする話も、比較的新しい。

子どもを脅す道具としての効き目は、行政の関心を引くほどだった。1746年、子どもを過度に怯えさせるためにユールラッズやグリーラを持ち出すことが公に禁じられている。デンマーク王がこれを躾の手段として用いることに難色を示したためである。伝承が法令の対象になった例として、しばしば引かれる。

文化的足跡

今日のアイスランドでは、グリーラの最も恐ろしい面——子どもを食うという一点——は、幼い読者向けにはおおむね和らげられている。それでも完全に消えたわけではない。民俗学者テリー・ガンネルは、グリーラ一家を穏やかにしてほしいという親の声がある一方で、それをすればアイスランドらしいクリスマス——日の射す時間がわずかしかない暗い季節——が失われるとも述べている。

国外では、この鬼婆はもっぱら「クリスマスの怪物」として紹介されるようになった。近年の映画やテレビ番組にも繰り返し登場する。ただしそこで描かれるのは、17世紀の詩が伝える施しを求める老婆ではなく、悪役として整理された魔女である。伝承が輸出される過程で何が落ちるかを示す、分かりやすい例といえる。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q622108 — 骨格データの出典
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