フェブリス
デア・フェブリス · Febris · Dea Febris
ローマの熱病の女神で、マラリアをもたらすと同時にそれから守った。三日熱と四日熱の女神を娘に持つ。ローマに三つの神殿があり、患者に触れた護符が納められた。ギリシアに由来しない土着の厄除けの神格。fever の語源。
解説
概要
フェブリス(Febris、「熱」)あるいはデア・フェブリス(「熱の女神」)は、ローマの熱病の女神で、熱とマラリアを体現し、同時に人をそれから守った。それゆえフェブリスは、人々が好意を得たいと願う恐れられた女神であった。固有の神話を持たず、神話に言及もされない。小セネカ『アポコロキュントーシス』によれば、その特徴的な属性は「抜け目なさ」と「誠実さ」である。
フェブリスは二人の娘あるいは姉妹デア・テルティアーナとデア・クァルターナを伴った。三日熱と四日熱——熱が三日ごと、四日ごとに戻るマラリアの型——の女神である。テオドルス・プリスキアヌスはサートゥルヌスをテルティアーナとクァルターナの父とする。
性格
女神フェブリスは、特定の悪に対する力——それを課し、あるいは取り除く——を持つ厄除けの神格(ディー・アウェッルンキー)に属する。ローマ人はフェブリスが害をなさないように崇拝した。エトルリア・ローマの浄化の神フェブルウスに起源を持つかもしれない。一部のローマの神と異なり、フェブリスはギリシアの神に由来しない。
神殿
ローマにはフェブリスの神殿が三つあった。パラティーヌスの丘、ウィクス・ロンギの上、エスクィリーヌスの丘の頂である。ウァレリウス・マクシムスによれば、これらの神殿には熱病の患者の身体に触れた護符が納められた。
マラリアはローマとその周辺の湿地帯の風土病であり、帝国の首都を繰り返し襲った。熱病に神殿を建てるという行為は、この病がローマ人の生活にどれほど深く関わっていたかを示す。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、ヴィルギル・ゾリスの版画《フェブリス》である(1530年)。
病そのものを神として祀るという構造が、この女神を規定する。病をもたらす神が、病から守る神でもある。インドのシータラー(天然痘)、ヨルバのババルアイエと同じ型に属する。
関わる神格・伝承
娘または姉妹はテルティアーナとクァルターナ。フェブルウスに起源を持つとされる。
文化的足跡
「フェブリス」は英語の fever、febrile の語源である。ローマの女神の名が、医学用語として世界に残った。