エウリュトス
エウリュトス王 · Eurytus · Eurytos
ギリシア神話に複数いる同名の人物。オイカリアの王で弓の名手、娘イオレーをヘーラクレースに渡すことを拒んで滅ぼされた者が最もよく知られる。その弓はオデュッセウスに渡った。
解説
概要
エウリュトス(Εὔρυτος)は、ギリシア神話に複数登場する人物、または巨人の名である。
同名の人物たち
オイカリアの王。 アポローンの子メラネウスの子とされ、弓の名手であった。アポローンから弓を授かり、ヘーラクレースに弓を教えたともいう。娘イオレーを弓競技の勝者に与えると宣したが、勝ったヘーラクレースに娘を渡すことを拒んだ。のちにヘーラクレースに攻められ、息子たちとともに殺された。
『オデュッセイア』第8巻では、アポローンに弓で挑んで殺されたと語られる。その弓はイーピトスを経てオデュッセウスに渡り、求婚者たちを射殺す弓となった。
ギガンテスの一人。 ガイアとウーラノスの子で巨人族の一人。ギガントマキアーで、ディオニューソスがテュルソスの杖で打ち倒し、ヘーラクレースが毒矢でとどめを刺した。
アクトールの子。 アクトールとモリオネーの子で、クテアトスと双子。二人はモリオネーと呼ばれ、一説には父をポセイドーンとする。カリュドーンの猪狩りに参加し、エーリスの将としてヘーラクレースと戦った。
ヘルメースの子。 ヘルメースとアンティアネイラの子で、兄弟エキーオーンとともにアルゴナウタイの一人。ペリアースの葬礼競技で弓術に優勝した。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
第一のエウリュトスを規定するのは弓である。アポローンから授かった弓が、拒絶と殺害を経て、オデュッセウスの手で求婚者を射る。一張の弓が『オデュッセイア』の結末を担うまでの来歴が、この人物から始まる。
関わる神格・伝承
第一の子はイオレーとイーピトス。ヘーラクレースとの因縁はイオレーの項に譲る。
文化的足跡
日本語圏では、イオレーの父として言及される程度である。しかしオデュッセウスの弓の来歴をたどれば、この人物に至る。