エウロス
エウロス · スバソラーヌス · Eurus
ギリシアの東風の神。ヘーシオドスの三風には含まれず、後代に四方位を揃えるため加えられた。固有の神話を持たず、方位の体系を埋めるために存在する。風の塔では果物と穀物の盆を持つ老人として表される。
解説
概要
エウロス(Eurus)は、ギリシア神話における東風の神である。四方の風の神アネモイの一柱である。
性格
ヘーシオドス『神統記』は、ボレアース(北)、ノトス(南)、ゼピュロス(西)の三柱のみをアストライオスとエーオースの子として挙げ、エウロスを含めない。
エウロスは後代の資料において四番目の風として加えられた。四方位への整理が進むにつれて、東風が体系に組み込まれたとみられる。
温かく雨をもたらす風とされ、秋に吹く。船乗りにとっては不吉な風であった。
ホメーロスは『オデュッセイア』でエウロスに言及するが、その性格をほとんど描かない。四風のなかで最も記述が乏しい。
四方の風の非対称
ギリシアの風の神のうち、北風ボレアースは攫う神として物語を持ち(オーレイテュイアを攫った)、西風ゼピュロスはヒュアキントスの死に関わる。南風ノトスは嵐をもたらす。しかしエウロスには固有の神話がない。
方位の体系を埋めるために存在する神格である。四方が揃うために必要でありながら、その内実が語られない。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、東風の神エウロスの図である。
アテーナイの風の塔において、エウロスは果物と穀物を載せた盆を持つ老人として表される。八方の風のうち、東南東の位置を占める。
関わる神格・伝承
父はアストライオス、母はエーオース(後代の資料)。兄弟はボレアース、ノトス、ゼピュロス。
ローマではウォルトゥルヌス、あるいはスバソラーヌスと呼ばれた。河神ウォルトゥルヌスと同名である。
文化的足跡
日本語圏でこの名が挙げられることはまずない。四方の風の一つとして列挙される程度である。