ディオメーデー
ディオメデ · Diomede · Diomēdē
ギリシア神話の女性の名。ケパロスの母、およびレスボス島から捕虜となりブリーセーイスを奪われたアキレウスの寝所に入った女が知られる。
解説
概要
ディオメーデー(Διομήδη)は、ギリシア神話の女性の名である。主として二人が知られる。
同名の女性たち
クスートスの娘。 クスートスとエレクテウスの娘クレウーサの娘で、アカイオス、イオーンと兄妹。ポーキスの王デーイオーンと結婚し、アステロディアー、アイネトス、アクトール、ピュラコス、ケパロス、ニーソスを産んだ。
アキレウスの捕虜。 レスボス島の王ポルバースの娘。トロイア戦争でギリシア軍がレスボス島を攻略した際に捕虜となり、アキレウスの奴隷として仕えた。
『イーリアス』第9巻によれば、アキレウスがアガメムノーンの使者を追い返し、使者の一人であった老将ポイニクス、親友パトロクロスとともに自陣で眠りについたとき、ディオメーデーがアキレウスに添い寝したと語られる。『イーリアス』で言及されるのはこの一箇所である。
クレータのディクテュスによれば、ディオメーデーはブリーセーイスとは同年齢で、ブリーセーイスがアガメムノーンに奪われた後にアキレウスの寝所に入ったという。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
第二のディオメーデーは、ブリーセーイスの代わりに置かれた女である。ブリーセーイスを奪われたアキレウスが、その夜に別の捕虜と寝る——この一行が、ブリーセーイスをめぐる怒りが愛情ではなく名誉の問題であることを示すと読まれてきた。
第一のディオメーデーの系譜も見逃せない。イオーンの姉妹であり、ケパロスの母である。イオーン——イオーニア人の名祖——と、暁の女神エーオースに愛されたケパロスが、同じ家系に配されている。
関わる神格・伝承
第一の夫はデーイオーン、子はケパロスら。第二はアキレウスの捕虜。
文化的足跡
日本語圏でこの名が挙げられることはまずない。ブリーセーイスの代わりの女として、『イーリアス』第9巻の一行に現れる程度である。