コヨトリナワル
コヨトリナワル · コヨトル・イナワル · Coyotlinahual
羽根細工師アマンテカの神で、名は「コヨーテが彼の変装である」を意味する。トピルツィンが老いを恥じたとき羽根と緑玉で美しい装いを作って着せたが、それはテスカトリポカの策の一部であった。
解説
概要
アステカ神話において、コヨトリナワル、あるいはコヨトル・イナワル(ナワトル語で「コヨーテが彼の変装である」の意)は、羽根細工師(アマンテカ)の神である。
羽根細工
羽根細工は、アステカにおいて最も貴ばれた工芸の一つであった。
ケツァル、コンゴウインコ、ハチドリなどの羽根を用い、盾、扇、頭飾り、衣を作った。羽根は熱帯低地から交易でもたらされる貴重品である。
アマンテカ。 羽根細工師はアマントラという区に住み、特権的な階層をなした。世襲の職であり、独自の神と祭を持った。
商人(ポチテカ)と同じく、特定の職能集団が独自の神を持つという構造である。
トピルツィンとの物語
『フィレンツェ絵文書』は、コヨトリナワルがトピルツィンに関わる物語を伝える。
トピルツィンが老いを恥じて人前に出なくなったとき、コヨトリナワルは羽根と緑玉と黄金で美しい装いを作り、これを着せた。
トピルツィンは喜んで人前に出た。しかしそれはテスカトリポカの策の一部であり、やがて彼は酒を飲まされて都を去ることになる。
美しい装いが破滅を招く。 工芸の神が作ったものが、王を欺く道具になる。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
コヨーテを「変装」とする名は、ナワル——変身する動物の姿——の観念による。この神はコヨーテの姿をとる。
ウェウェコヨトルと同じくコヨーテの神であり、両者を同一視する説もある。
関わる神格・伝承
アマンテカの守護神。ウェウェコヨトルと関わる。
文化的足跡
アステカの羽根細工は、征服後にヨーロッパへ贈られたものが数点現存する。ウィーン民族学博物館の「モクテスマの冠」が最も名高い。
その返還をめぐって、メキシコとオーストリアのあいだで議論が続いている。