曹国舅
そうこっきゅう · 曹佾 · 景休
北宋の仁宗の皇后の弟という八仙唯一の官人。弟の悪事を見かねて隠遁し、呂洞賓と鍾離権の問答に天と心を指して答え、仙の仲間に加えられた。官服に冠を戴き、暗八仙は雲陽板。
解説
概要
曹国舅(そうこっきゅう、Cáo Guójiù)は、中国の道教で信仰される八仙の一人である。北宋の仁宗の皇后(曹皇后)の弟とされ、天子の外戚を指す「国舅」の呼び名で知られる。八仙のなかでただ一人の高官で、官服と冠の姿で描かれる。
神話・物語
モデルとされるのは、北宋建国の功臣曹彬の孫にあたる曹佾(1018年頃〜1089年頃)である。史書は、曹皇后の弟として高位に就きながら、政治に深く関わらず穏やかに暮らした人物と伝える。仙人としての伝説は、後世に形づくられた。
清代の『歴代神仙通鑑』などによれば、曹国舅は、弟が姉の威光をかさに着て悪事を重ねるのを恥じ、財を人々に施して山に入り、修行を始めた。そこへ呂洞賓と鍾離権が現れ、何を修めているのかと問うた。道を修めていると答えると、道はどこにあるのかと問われ、黙って天を指した。では天はどこにあるのかと重ねて問われると、自分の胸を指した。二人は笑って、心がすなわち天であり、天がすなわち道であると知っているならもう道を悟っていると言い、彼を仙の仲間に迎えたという。
別の伝えでは、弟が書生を殺してその妻を奪おうとし、名裁判官の包拯(包公)がこれを裁いて弟を処刑した。曹国舅は身を引いて修行に入り、のちに仙人となったとされる。
図像と象徴
官服をまとい、冠を戴き、手に拍板(雲陽板)を持つ姿で描かれる。暗八仙の図案では、拍板が曹国舅を示す。本サイトの主画像は、曹国舅を描いた図である。
系譜と関係
八仙の一。呂洞賓と鍾離権に導かれたとされる。曹皇后の弟。
文化的足跡
八仙の顔ぶれは元代の雑劇では一定せず、曹国舅を含む今日の八人が定着するのは、明代の小説『東遊記』などを通じてである。老若、男女、貧富、貴賤のさまざまな者が揃う八仙のなかで、曹国舅は貴人の側を代表する。
なお道教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。