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梵天
PLATE — BRAHMĀ
DHARMA · 仏教の尊格
BRAHMĀ

梵天

ぼんてん · 梵天勧請 · サハンパティ

京都・東寺講堂の梵天像(9世紀)/撮影: Michael D. Gunther, CC BY-SA 3.0 CC BY-SA 3.0

仏教の天部の一尊で梵天界の主。ヒンドゥーの創造神ブラフマーが取り入れられたが、仏教は創造神を否定し、梵天は釈迦に布教を勧めた神(梵天勧請)として位置づけられる。帝釈天と対をなす。

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解説

概要

梵天(パーリ語 Brahmā)は、仏教の天部の一尊である。仏教の世界観において最高位の一つである梵天界(ブラフマローカ)の主。十二天の一尊として天(上)を守護する。梵はブラフマンの漢訳。

帝釈天と対になって祀られることが多く、両者を併せて「梵釈」と称することもある。

教義と伝説

バラモン教の神ブラフマーが仏教に取り入れられ、仏法の守護神とされ、梵天と称されるようになった。ブラフマーは、古代インドにおいて万物実存の根源とされた「ブラフマン」を神格化したものである。

仏教では創造神という概念を否定する。この世界や輪廻転生の摂理は因果によって生じたのであり、創造神はいない。『大悲経』によれば、梵天は我こそが世界の創造神であると称していたが、釈迦によってその誤りを正されたという。

仏教の伝説では、悟りを開いた直後の釈迦は、その教えを広めることをためらったが、教えを広めるよう勧めたのが梵天サハンパティとされ、この出来事は梵天勧請と称される。梵天の勧めによって仏教は世に説かれた——創造神であることを否定された神が、仏法の起動者として位置づけられている。

仏教の教義では、天界の神々も衆生にすぎず、不死ではなく、死ねば他の衆生同様に六道のいずれかに輪廻転生するとされる。天界の神々も仏法に教化されて解脱することを望んでいるのだと解釈する。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、京都・東寺講堂の梵天像である(9世紀)。四面四臂で鵞鳥の上の蓮華に坐す。

日本の密教図像では、四面四臂で鵞鳥に乗る姿が定型である。四面はブラフマーの四つの顔を、鵞鳥(ハンサ)はブラフマーの乗物を引き継いでいる。ただし奈良時代の作例では、唐風の衣をまとった貴人の姿で帝釈天と対をなす。

関わる神格・伝承

帝釈天と対をなす。十二天の一尊。摩利支天の父とする伝えもある。

ヒンドゥー教のブラフマーとは同一起源だが、仏教における位置づけは大きく異なる。創造神から、仏法を勧請する守護神へ。神々の位階が転倒している。

文化的足跡

梵天勧請の物語は、仏教が布教を正当化する起源譚として、初期経典から繰り返し語られてきた。釈迦が教えを説くことを躊躇したという設定は、仏教の教えの難解さを示すものとしても読まれる。

なお仏教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその尊格の伝承と図像に関する学術的な整理である。

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領分・別名

INTERPRETATIO — 同一視・同源
ブラフマー ヒンドゥー神話 同一視
仏教が天部の一柱として受容した同一の神格。パーリ語聖典では梵天サハンパティが釈迦に説法を懇請する(梵天勧請)。最高神から仏法の帰依者へ位置づけが変わっており、別エンティティとして扱う
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資料

Wikidata
Q289162 — 骨格データの出典