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PLATE — BADB
CELTAE · ケルト神話
BADB

バズヴ

バイヴ · バイヴ・カハ · バズヴ・カハ

アイルランドの戦の女神。鴉の姿で戦場に現れ、兵に恐慌をもたらし死を予告する。マッハ、モリガンと並ぶ三柱のモリグナの一柱。

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解説

概要

バズヴ(Badb、現代アイルランド語 Badhbh)は、アイルランドの戦の女神である。名は普通名詞としては「鴉」、とりわけ屍を漁るズキンガラスを指し、添え名バズヴ・カハ(「戦の鴉」)はこの相を言い当てている。戦場に現れて兵に恐慌と混乱をもたらし、戦の帰趨を左右する。開戦に先立って現れ、来たるべき殺戮の規模や、名ある者の死を予告することもある。

語源には二説がある。アレグザンダー・マクベインはケルト祖語 bodwā-、ユリウス・ポコルニーは badwā- を再建するが、いずれも古ノルド語 böð、古英語 beadu(ともに「戦」)と結びつける点では一致する。W・M・ヘネシーは、この語がもともと激情や暴力を意味し、そこから魔女・妖精・女神を指すようになったと論じた。

神話・物語

第一次マグ・トゥレドの戦いでは、姉妹のマッハモリガンとともにトゥアハ・デ・ダナーンに与し、魔術で霧と火の雨を降らせてフィル・ボルグの軍に三日三晩の休息を与えなかった。『クアルンゲの牛捕り』でも同じように、メイヴの軍を惑わせて同士討ちを招いている。

死の予告者としては、さまざまな姿をとる。『ダ・デルガの館の崩壊』では醜い老女となってコナレ・モールの破滅を予言し、『ダ・ホカの館の崩壊』では浅瀬でコルマクの戦車と馬具を洗う「浅瀬の洗濯女」として現れる。血染めの装具を洗う女は、その持ち主の死を告げる。この相は後世のバンシーに直に連なる。

第二次マグ・トゥレドの戦いののち、彼女は——写本によってはエルンマスの娘モリガンが——勝利と平和を讃える詩を唱え、続けて世界の終わりを予言する詩を唱えたと伝えられる。名を交換しうるほど、この二柱の境は曖昧である。

図像と象徴

古代の図像はない。伝承上の標識は鴉であり、それも戦場を旋回する屍食の鳥である。その姿を見た者は自らの死を知る。声もまた標識で、「赤い口のバズヴ」が家のまわりで叫ぶとき、それは屍を求める声だとされる。戦場そのものが「バズヴの園」と呼ばれた。

視覚像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。この不在自体が、アイルランドの神々が像ではなく写本の文字として伝えられたことを示している。

系譜と関係

アイルランド来寇の書』は彼女をエルンマスの娘とし、マッハ、モリガンとともに三柱のモリグナを成すとする。同じ書は、彼女を戦の神ネトの二人の妻の一人とする。フォモール族の王テフラの妻とする伝えもある。

ネヴァンとの区別は曖昧である。ともにネトの妻とされ、恐怖をもたらす戦場の女神として働きが重なるため、両者を同一の女神とみる論者もいる。一方ヘネシーは、両者の親が異なることを指摘して同一視に慎重である。組み合わせが写本ごとに揺れるこの一群は、固定した系譜というより名の集合と考えたほうがよい。

ガリアの女神カトゥボドゥア(ボドゥア)とは名が同源とされる。碑文にしか残らない名だが、大陸ケルトにも「戦の鴉」の女神がいたことを示す数少ない証拠である。

文化的足跡

アイルランドの一部の地域では、死を予告する存在をバンシーではなくバズヴと呼ぶ。パトリシア・ライサットはこれを、女神の名が民間伝承のなかに生き延びた例として報告している。「戦の女神」という枠組みそのものは、W・M・ヘネシー『古代アイルランドの戦の女神』(1870年)が定めたものであり、以後の理解を強く方向づけた。現代の幻想文学やゲーム作品には、鴉を伴う戦の女神としてしばしば登場する。

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領分・別名

INTERPRETATIO — 同一視・同源
カトゥボドゥア 同源
ガリアの女神 Cathubodua(Bodua)。ケルト祖語 *bodwā-「戦・鴉」に遡る同源名。オート=サヴォワ県ミュー出土の碑文(CIL XII 2571)に名が残る。
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資料

Wikidata
Q798840 — 骨格データの出典