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デュラハン
PLATE — DÚLACHÁN
CELTAE · ケルト神話
DÚLACHÁN

デュラハン

ガン・ケァン · Gan Ceann · Dulachan

W. H. Brooke, Croker『Fairy Legends and Traditions of the South of Ireland』(1834) PUBLIC DOMAIN

アイルランド伝承の首無しの騎手。自らの首を小脇に抱え、黒馬を駆り、あるいは黒い死の馬車を御して現れる。名を呼ばれた者の死を告げる凶兆とされる。

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解説

概要

デュラハン(dúlachán)は、アイルランドの民間伝承に語られる首無しの妖精である。黒馬にまたがる首無しの騎手、あるいは黒い馬車を御する首無しの御者として現れ、自らの切り離された首を小脇に抱える。バンシーと並ぶ死の予兆であり、その姿を見た者、あるいは名を呼ばれた者に死が迫るとされる。もっとも、在来のアイルランド口承にどこまで遡る存在かははっきりせず、古い土着の資料に乏しいことから、その起源には慎重な議論がある。

語り継がれた物語

デュラハンをまとまった物語として伝える主要な文献は、トマス・クロフトン・クローカーの『アイルランド南部の妖精譚と伝承(Fairy Legends and Traditions of the South of Ireland)』(1825〜28年)である。その第二巻はデュラハンに一章を割き、四つの物語と一篇のバラッドを収める。のちにW・B・イェイツが『アイルランド農民の妖精譚(Fairy and Folk Tales of the Irish Peasantry)』(1888年)でこれをバンシーと結びつけ、バンシーに従って黒い死の馬車コーシュタ・ボウァル(cóiste bodhar)を御する姿を描いた。

伝承では、デュラハンの馬車が家の前で轟音とともに止まり、扉を開けた者は血の盥を浴びせられるという。抱えた首がひとたびある者の名を呼べば、それは死の宣告にほかならない。特定の古い家系にのみ死を告げるバンシーと異なり、デュラハンは相手を選ばず、誰にでも死を宣告しうる点で、いっそう容赦のない存在とされた。

図像と象徴

デュラハンの図像を特徴づけるのは、切り離されて抱えられた首である。その目は炭火のように赤く光り、口は耳まで裂けて笑い、しばしば提灯のように高く掲げられて、遠くの家までを照らし、あるいは見通すという。手にする鞭は人間の背骨、御する馬車は腿の骨を輻とし脊椎を車軸とし、二つの髑髏を提灯として掲げ、棺を載せる——こうした凄惨な細部が、異伝ごとに加えられてきた。本サイトが掲げるクローカー本の挿絵(W・H・ブルックによる版画)は、この首無しの騎手の造形を伝える早い図像の一つである。姿は必ずしも男とは限らず、女として現れる異伝もあるが、これはバンシーとは別個の存在である。

関係する存在

デュラハンは、同じく死を予告するバンシーとしばしば同道し、死の馬車コーシュタ・ボウァルと分かちがたく結びつく。これらはいずれもケルト神話の民間伝承に育まれた、異界から訪れる死の使者の一群をなす。

文化的足跡

首無しの騎手という主題は、ワシントン・アーヴィングの『スリーピー・ホローの伝説』の首無し騎士との類似がしばしば指摘される。現代では『女神転生』をはじめとするゲームやアニメにもたびたび登場する。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q1264812 — 骨格データの出典
Commons
Dullahan — 図像カテゴリ