アウィリシュ
アウィリシュ · アウイリシュ · Awilix
キチェ・マヤの月と夜の女神で、都クマルカフのニハイブ家系の守護神。火と太陽のトヒルと対をなし、山のハカウィツとともに都の三神殿を構成した。性別は資料により女とも男ともされる。
解説
概要
アウィリシュ(アウイリシュ、アビリシュとも綴る)は、後古典期キチェ・マヤの女神(あるいは男神である可能性もある)であった。キチェはグアテマラ高地に大きな王国を持っていた。
キチェの都クマルカフにおけるニハイブ貴族家系の守護神であり、市内に大きな神殿を有していた。
アウィリシュは月の女神にして夜の女神であったが、一部の研究はこの神格を男性とする。
語源と象徴
アウィリシュは月の女神であり、夜の女王であった。冥界、病、そして月に結びつけられた。
おそらく古典期の低地マヤの月の女神、あるいはチョンタル・マヤの月の女神カバウィル・イシュに由来する。
クマルカフの三神殿
キチェの都クマルカフには、三つの主要な神殿があった。トヒル(火・太陽)、アウィリシュ(月・夜)、そしてハカウィツ(山)である。
それぞれ異なる貴族家系の守護神であり、都の政治構造が神殿の配置に反映されていた。
トヒルが太陽、アウィリシュが月という対をなす。昼と夜、男と女という対が、都の中心に置かれている。
ポポル・ヴフにおける役割
『ポポル・ヴフ』において、アウィリシュはトヒル、ハカウィツとともに、七つの洞窟でキチェの祖先に与えられた神の一柱である。
キチェの祖先が神々を背負って運んだという記述があり、神が携行される像として理解されていたことを示す。
太陽が初めて昇ったとき、他の神々とともに石に変わった。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、マヤの月の女神を描いた土器画である。
性別が確定しないという点が、この神格を規定する。月の女神とする資料と、男神とする研究がある。マヤの神格には、性が流動的なものが複数ある。
関わる神格・伝承
ニハイブ家系の守護神。トヒル、ハカウィツと三神をなす。イシュ・チェルと月の女神という職能を共有する。
文化的足跡
クマルカフ遺跡には、アウィリシュ神殿の基壇が残る。トヒル神殿と向かい合う配置である。