アーシャープラー・マーター
アーシャープラー・マーター · アーシャープラー · Ashapura Mata
カッチとラージャスターンの一族の守護女神(クラデーヴィー)で、名は「望みを満たす母」を意味する。一族は移住しても女神を変えず、結婚や出産の節目に本廟へ帰って参る——女神が父系の氏族の連続性を担う。カッチのマタ・ノ・マドゥの寺院は2001年の地震で被災し再建された。
解説
概要
アーシャープラー・マーターは、ヒンドゥー教の女神で、インド西部のグジャラート州カッチ地方やラージャスターン州で、多くの家系が守護女神として祀る女神である。名は「望みを満たす母」を意味し、信者の願いを叶えるとされる。カッチを治めた旧王家ジャデージャ家をはじめ、チャウハーン家、パティヤート家などの守護女神であり、女神シャーカンバリーの一つの姿とされる。
信仰
アーシャープラー・マーターは、特定の氏族が世代を越えて祀る家系の守護女神(クラデーヴィー)である。人々は、結婚や出産、子の初めての剃髪といった人生の節目に、女神のもとを訪れる。一族が遠くへ移り住んでも守護女神は変わらず、節目ごとに本廟へ帰って参拝する。グジャラートやラージャスターンでは、こうした家系の守護女神への信仰がとりわけ強い。
本廟は、カッチの村マタ・ノ・マドゥにある。寺院の起源は14世紀頃にさかのぼるとされ、カッチの旧王家ジャデージャ家の守護女神として祀られてきた。2001年のカッチ大地震で寺院は大きな被害を受けたが、のちに再建された。秋のナヴァラートリの祭には、多くの巡礼者が徒歩でこの寺院を目指す。
図像と象徴
主画像は、グジャラート州アムレーリー県ガダクダ村に祀られるアーシャープラー・マーターである。
系譜と関係
シャーカンバリーの一つの姿とされ、マハーデーヴィーのあらわれでもある。
文化的足跡
グジャラートやラージャスターンの多くの家系が、今日もこの女神を家系の守護女神として祀っている。
なおヒンドゥー教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。