ヒンドゥー教とジャイナ教における、祖先伝来の守護神(「クラ」=氏族、「デーヴァター」=神格)。女神の場合はクラデーヴィーと呼ぶ。マラヤーラム語・テルグ語ではクラダイヴァムという。
各家系は特定のクラデーヴァターを持ち、婚礼、出産、子の最初の散髪といった人生の節目にその寺院へ参る。家系が移住しても、クラデーヴァターは元の土地に留まり、子孫は遠方から巡礼する。そのため、クラデーヴァターの寺院は一族の出自の地を示す徴ともなる。
ある神がどの集団のクラデーヴァターであるかは、カーストや職業集団と密接に結びつく。グジャラートのモーデーシュワリーはモード共同体の、アーシャープラー・マーターはジャーデージャー氏族の、モーマーイーはラバーリー族の守護女神である。ラージャスターンのカルニ・マーターもラートール家のクラデーヴィーである。
普遍的な大神ではなく、特定の集団と特定の土地に結びついた神である点で、日本の氏神と比較される。