アバース
アバース · アバス · Abas
アルゴス王リュンケウスとヒュペルムネーストラーの子で、アルゴスの王。ヘーラーに捧げられた楯を受け継いだ。双子の子アクリシオスとプロイトスに交互に王位を継ぐよう遺言したが守られなかった。ペルセウスの曾祖父にあたる。
解説
概要
アバース(Ἄβας / Abas)は、リュンケウスとヒュペルムネーストラーの子で、アルゴスの王である。名は「傷のない者」「素直な者」と解される。
ダナオスの娘たちが夫を殺した夜に、ただ一組生き残った夫婦の子であり、その血筋からペルセウスが出る。
神話・物語
ダナオスの死を父リュンケウスに知らせた褒美として、彼は祖父の楯を与えられたという。ヘーラーに捧げられていたこの楯は、掲げるだけで敵を逃げ散らせるほど恐れられ、彼の死後もその力を保ったと伝えられる。
征服者としても語られる。ポーキス北東部の都市アバイ——アポローン・アバイオスの神託所で知られる——と、テッサリアのペラスゴス的アルゴスを建てたとされる。
妻はオーカレイア、あるいはアグライアー。双子の息子アクリシオスとプロイトスに、交互に王位を継ぐよう遺言して死んだ。ところが二人は母の胎内にいるときから争っており、その遺志が守られることはなかった。パウサニアースは、庶子リュルコスがリュルケイアの名祖となったとも伝える。
図像と象徴
古代の図像は知られておらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
父リュンケウス、母ヒュペルムネーストラー。父方の祖父はエジプト王アイギュプトス、母方の祖父はアルゴス王ダナオスで、争い合った兄弟の血筋がこの一人で合わさっている。
子はアクリシオスとプロイトスの双子、そして娘イドメネー。アクリシオスの娘がダナエー、その子がペルセウスである。
文化的足跡
オウィディウスらローマの詩人は、アバースの子孫を指す「アバンティアデース」の語を用い、ペルセウスやアクリシオスをこの名で呼んだ。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。