出産のために母屋から離して建てた仮屋。出産に伴う血の忌みを日常の生活空間から隔てる装置であり、近代まで各地で用いられた。産が済めば焼き捨てたり壊したりする例も多い。記紀神話では、木花之佐久夜毘売が産屋に火を放って身の潔白を示し、トヨタマヒメは海辺に鵜の羽で屋根を葺いた産屋を求める。この産屋の屋根を葺き終えないうちに子が生まれたことが、ウガヤフキアエズという名の由来として語られる。産屋がしばしば海辺や水辺に設けられるのは、産の忌みを水によって隔てる観念によるとみられる。
GLOSSARIUM · UBUYA (BIRTH HUT)