夫が生殖能力を欠くか、子を残さずに没した場合に、別の男性が妻あるいは寡婦との間に子をもうけ、その子を夫の嫡子として家系を存続させる古代インドの慣行。多くは夫の兄弟か、招かれた聖仙が担った。祖霊は子孫の営む葬送の儀によってのみ安んじられるという観念が背景にあり、血統の断絶は当人だけでなく祖霊をも苦しめると考えられた。『マハーバーラタ』では、跡継ぎを残さず没したヴィチトラヴィーリヤの二人の寡婦に聖仙ヴィヤーサが招かれ、ドリタラーシュトラ、パーンドゥ、ヴィドゥラが生まれる。叙事詩の全登場人物はこの一夜に発している。後代の法典類はこの慣行を次第に制限し、やがて認めなくなった。
GLOSSARIUM · NIYOGA