ウィサケジャク
ウィサケジャク · ウィーサカーチャーク · Wisakedjak
北方アルゴンキン諸族とデネの語りに現れる鶴のマニトウで、創造者にして愚か者。ナナボゾ、イクトミ、コヨーテと同じトリックスターの系列。多くの共同体で聖なる物語は冬にのみ語られ、名を軽々しく口にしない規範がある。
解説
概要
ウィサケジャク(アルゴンキン語ウィサケジャク、クリー語ウィーサカーチャーク、オジ・クリー語ウィーサゲジャーク)は、北方アルゴンキン諸族とデネの語りに見出される鶴のマニトウである。
オジブワの聖なる物語(アディゾーカーナン)におけるナナボゾ、アシニボインの語りにおけるインクトンメ、そして多くの異なる部族のコヨーテあるいはレイヴンに似る。
その名は、彼が現れる関係する言語と文化において、いくつもの異なる形で見出される。
なお本サイトの分類では、北米先住民の体系に含めて扱う。
トリックスター
ウィサケジャクは、創造者にして愚か者である。
世界を作る。 洪水ののち、動物たちに水底の泥を取らせて大地を作り直した。
失敗する。 同時に、欲張って罠にかかり、動物に騙され、恥をかく。
教える物語。 その失敗が、してはならないことを教える。
名を口にする時期
多くのアルゴンキン諸族において、聖なる物語は冬にのみ語られる。
なぜ冬か。 地が凍り、蛇や蛙が眠っているあいだに語る。夏に語れば、これらが聞いて怒るとされた。
季節の規範。 物語を語る時期が定められている。この規範は、今日も守られる共同体がある。
本項の扱い。 この規範に照らせば、物語を季節を問わず文字にして公開することには慎重であるべきである。
本項は、すでに公刊された民族誌の範囲にとどめ、詳細な筋書きの記述は避ける。
語られない名
一部の共同体では、この存在の名を軽々しく口にしない。
呼べば来る。 名を呼べば来るとされ、必要のないときには言わない。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
関わる伝承
ナナボゾ、イクトミ、コヨーテ、レイヴンと同じトリックスターの系列。
文化的足跡
カナダの地名にその名が残る。ケベック州のウィサケジャク、マニトバ州の湖など。
なお北米先住民の伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。物語のうちには氏族や個人の所有物として扱われるものがあり、公開の場で語ることが適切でない場合がある。