ウィサケジャク
ウィサケジャク · ウィーサカーチャーク · Wisakedjak
北方アルゴンキン諸族とデネの語りに現れる鶴のマニトウで、ナナボゾやコヨーテと同じトリックスター。世界を滅ぼした大洪水を起こした者とされる一方、今の世界を造った者の一人ともされる。現代のクリーの文学や美術にも描かれる。
解説
概要
ウィサケジャク(アルゴンキン語ウィサケジャク、クリー語ウィーサカーチャーク、オジ・クリー語ウィーサゲジャークとも)は、北方のアルゴンキン諸族とデネの語りに現れる鶴のマニトウである。オジブワの聖なる物語のナナボゾ、アシニボインの語りのインクトンメ、多くの部族のコヨーテやレイヴンと同じく、トリックスターである。関連する言語と文化ごとに、名はさまざまな形で現れる。北米先住民の体系に含めて扱う。
神話・物語
ウィサケジャクは、動物や土地の成り立ちを説明する物語に登場する。世界を滅ぼした大洪水を引き起こした者として描かれることが多く、別の物語では、自らの力で、あるいは創造主からそのために授かった魔力で、今の世界を造った者の一人ともされる。
多くのアルゴンキン系の共同体では、聖なる物語は冬にのみ語られるならわしがある。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
ナナボゾ、インクトンメ、コヨーテ、レイヴンと同じトリックスターの系列に属する。
文化的足跡
ノーヴァル・モリソーの作品をもとにした1999年のアニメーション『第七の火の物語』の四本の短編に登場する。クリーの作家トムソン・ハイウェイの小説『毛皮の女王の口づけ』(1998年)では、寄宿学校の傷を負った兄弟を見守る「毛皮の女王」の姿で現れる。クリーの画家ケント・モンクマンは2010年に、ウィサケジャクがヘルメースに四つ足の獣のだまし方を教える絵を描いた。ニール・ゲイマンの小説『アメリカン・ゴッズ』にも登場する。
なお北米先住民の伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。物語のうちには氏族や個人の所有物として扱われるものがあり、公開の場で語ることが適切でない場合がある。