ウォルトゥムナ
ウォルトゥムナ · ウェルトゥネ · ウェルタ
エトルリアの最高神とされる性の定かでない冥界の神格。その聖所ファヌム・ウォルトゥムナエは十二都市同盟の集会の場であり、宗教と政治の中心であった。前264年のローマによるウォルシニイ征服とともに、その祭祀はローマへ移された。
解説
概要
ウォルトゥムナ(ウェルトゥネ、ウェルタとも知られる)は、エトルリアの宗教における性の定かでない冥界の神格であり、ウァッローによれば、エトルリアの万神殿の最高神——デウス・エトルーリアエ・プリンケプス——となった。
ウォルトゥムナの祭祀はウォルシニイ(現在のボルセーナ)——中部イタリアのエトルリア文明の都市——を中心とした。
神話・物語
「ファヌム・ウォルトゥムナエ」(ウォルトゥムナの聖所)は、エトルリアの十二の都市の同盟が集まる場であった。年に一度、各都市の代表がここに集まり、祭と競技を行い、ともに決めごとをした。宗教の場が、そのまま政治の場でもあった。この聖所の正確な場所は長く分かっていなかったが、2006年以降、オルヴィエートの近くのカンポ・デッラ・フィエーラで、その候補となる遺構の発掘が進められている。
ウォルトゥムナの性は、資料によって異なり、男神としても女神としても記されている。ローマの姿を変える神ウェルトゥムヌスとの関係が指摘されており、ラテン語の「ウェルテレ」(変わる)に由来するとする語源の説もある。ただし、エトルリア語とラテン語の関係ははっきりしない。
紀元前264年、ローマはウォルシニイを征服した。プリニウスによれば、ローマはウォルシニイから二千体の像を奪い去ったという。ウォルトゥムナの祭祀もローマへ移され、ウェルトゥムヌスとして祀られるようになった。征服とともに神が移されるのは、敵の神を招き出して自らの側に迎えるローマの「エウォカーティオ」の実践である。
図像と象徴
本サイトの主画像は、トゥスカーニア出土の青銅鏡である。
系譜と関係
ウェルトゥムヌスに相当。エトルリア同盟の中心。
同じウォルシニイの神に、年ごとに釘を打って年を数えた運命の女神ノルティアがいる。
文化的足跡
カンポ・デッラ・フィエーラの発掘は、エトルリア考古学の主要な現場の一つである。