ウェルトゥムヌス
ウォルトゥムヌス · ヴェルトゥムヌス · Vertumnus
ローマの季節と変化と果樹の神。名はエトルリアのウォルトゥムナに由来するとされ、前264年のウォルシニイ征服ののちアウェンティーヌスに神殿が建てられた。オウィディウスでは老女に化けて果樹園のポーモーナに近づき、楡と葡萄の譬えで口説いた。
解説
概要
ウェルトゥムヌス(Vertumnus、ウォルトゥムヌスとも)は、ローマ神話において、季節、変化、植物の成長、そして庭と果樹の神である。意のままに姿を変えることができ、オウィディウス『変身物語』第14巻では老女に化けてポーモーナを口説く。
祭はウェルトゥムナーリアと呼ばれ、8月13日に営まれた。
祭祀と起源
ウォルトゥムヌスの名は、おそらくエトルリアのウォルトゥムナに由来する。ラテン語における形成は、「変える」を意味する動詞ウェルテレの影響を受けたとみられ、それゆえウェルトゥムヌスの形が生じた。
前264年、ローマはエトルリアのウォルシニイを征服し、その主神ウォルトゥムナの像をローマに運んでアウェンティーヌスの丘に神殿を建てた。エトルリア人街のウィクス・トゥスクスにも像があった。
プロペルティウス『エレゲイア』第4巻第2歌は、ウェルトゥムヌスの像自身が語る形で、その起源と変身の力を歌う。
神話・物語
ポーモーナは果樹園に閉じこもり、求婚者を寄せつけなかった。ウェルトゥムヌスは刈り入れ人、牛飼い、葡萄摘み、兵士、漁師に化けて近づいたが果たせず、ついに老女に化けて果樹園に入る。楡の木に絡む葡萄を指して、支えなしには葡萄が育たないと説き、求婚を拒んで石になったアナクサレテーの話を語った。それでも動かないポーモーナの前で、ウェルトゥムヌスは本来の若者の姿に戻り、その美しさにポーモーナは応じた。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、ルーベンス《ウェルトゥムヌスとポーモーナ》である(1617〜19年)。
変身する若者と老女の姿で、ポーモーナとともに描かれることが多い。
系譜と関係
妻はポーモーナ。エトルリアのウォルトゥムナに由来。
文化的足跡
アルチンボルドの《ウェルトゥムヌス》(1590年ごろ)は、皇帝ルドルフ2世を四季の果物・野菜・花で構成した肖像である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。