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PLATE — VĀC
BHARATA · ヒンドゥー神話
VĀC

ヴァーチ

ヴァーチ · ヴァーク · Vāc

神的な言葉を人格化したヴェーダの女神で、名はラテン語 vox、英語 voice と同語源である。『リグ・ヴェーダ』の讃歌で自ら一人称で「私は神々を支え、愛する者を聖仙にする」と語る。人が話すのは言葉の四分の一のみとされた。後にサラスヴァティーに吸収された。

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解説

概要

ヴァーチは、ヒンドゥー教の最古の聖典『リグ・ヴェーダ』に歌われる、神聖な言葉を人の姿で表した女神である。名はサンスクリット語で「言葉」「声」を意味し、ラテン語の vox や英語の voice と同じ源を持つ。霊感を受けた詩人や予見者のうちに宿り、愛する者に言葉の力を授けるとされる。『リグ・ヴェーダ』には、ヴァーチ自身が「わたしは」と一人称で語る讃歌がある。のちに言葉と学問の女神サラスヴァティーと同じものとされた。

なお本サイトの分類では、ヒンドゥーの体系に含めて扱う。

言葉そのものが女神

「ヴァーチ」は、言葉や声を意味するごく普通の名詞である。インド・ヨーロッパ語族の古い語根にさかのぼり、ラテン語の vox、英語の voice とも同じ源を持つ。言葉そのものが、女神として祀られているのである。ヴァーチは「ヴェーダの母」とも呼ばれ、創造の祖プラジャーパティの妻とされる。『アイタレーヤ・アーラニヤカ』ではインドラとも結びつけられている。

「わたしは」と語る女神

『リグ・ヴェーダ』第十巻の百二十五番の讃歌は、ヴァーチ自身が一人称で語るものである。ヴァーチは、自分は神々とともに歩み、ミトラとヴァルナ、インドラとアグニを支えていると語る。自らが愛する者を強くし、聖仙にも賢者にもすると言い、風のように吹いて天と地を越え、すべての世界を抱くと宣言する。神が自らをこのように名乗り出る讃歌は、ヴェーダのなかでは珍しい。言葉が、言葉によって自らを語っているのである。

四分の一の言葉

『リグ・ヴェーダ』によれば、言葉は四つの部分からなり、人が話しているのはそのうちの一つだけで、残りの三つは隠されている。のちのインドの哲学は、この考えを発展させ、言葉には四つの層(パラー、パシュヤンティー、マディヤマー、ヴァイカリー)があると体系立てた。言葉や音が宇宙の根源であるという思想も、ここから育っていった。

サラスヴァティーのなかへ

後の時代、ヴァーチは言葉と知の女神サラスヴァティーと同じものとされた。サラスヴァティーはもとは川の女神であったが、ヴァーチと重ね合わされることで、言葉と学問の女神になった。一方でヴァーチの名は独立して祀られなくなり、サラスヴァティーのなかに溶け込んでいった。

図像と象徴

固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。

関わる神格・伝承

プラジャーパティの妻とされ、サラスヴァティーと同じものとみなされる。

文化的足跡

ヴァーチの讃歌は、インドの言語哲学の源流として論じられてきた。

なおヒンドゥー教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q2427516 — 骨格データの出典