水底の豹
ミシペシュ · ミシビジウ · 大いなる山猫
アニシナアベの最も強力な水底の存在。猫の頭に鱗と棘を持ち、舟を沈め人を溺れさせる一方、銅をもたらす。雷鳥と永遠に戦い、ナナボゾの狼の兄弟を殺して洪水を起こした。
解説
概要
水底の豹(オジブウェ語ミシペシュ、ミシビジウ)は、北米北東部森林地帯と五大湖地域の多くの先住民——とりわけアニシナアベ——における、複数の神話上の水の存在のうち最も重要なものの一つである。
ミシペシュは「大いなる山猫」を意味する。巨大な猫の頭と脚を持つが、鱗に覆われ、背と尾に短剣のような棘が並ぶ。スペリオル湖のミチピコテン島を住処とし、アニシナアベ、オダワ、オジブウェ、ポタワトミの伝統において強力な存在である。イヌーにもミシビジウの物語がある。
神話・物語
アルゴンキン諸族にとって、水底の豹は最も強力な地下の存在であった。オジブウェは伝統的に、これを蛇を含むすべての水の生き物の主とみなした。ナナボゾの創造譚の一部の版は、水底の山猫の共同体全体に言及する。
湖に住み、渦や急流を起こして舟を沈める。人を溺れさせ、その霊を取る。しかし同時に、銅をもたらす存在でもある。スペリオル湖周辺の自然銅は水底の豹の身体の一部とされ、これを採ることには危険が伴った。
ナナボゾの狼の兄弟を殺したのは水底の豹であり、ナナボゾは仇を討つために豹を射た。豹の一族が起こした洪水が世界を覆い、ナナボゾが世界を作り直すことになる。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、国立アメリカ・インディアン博物館所蔵の水底の豹の図である。
岩絵——とりわけスペリオル湖岸のアガワ岩——に、この存在は描かれている。オジブウェの編み袋の意匠にも、水底の豹と雷鳥が対で織り込まれる。
この存在を規定するのは、雷鳥との対立である。雷鳥が空の力、水底の豹が水と地下の力を表し、両者の戦いが嵐と洪水である。人間はその戦いの狭間にいる。
猫でありながら鱗と棘を持つという造形は、山猫と蛇と魚の合成である。水底の力を、陸の最も危険な捕食者の形で表している。
関わる伝承
雷鳥(サンダーバード)と敵対する。角のある蛇と並ぶ水の存在で、両者を同一視する伝えもある。
ミデウィウィン——オジブウェの医術結社——において、水底の豹は薬と力の源でもある。恐れられると同時に、その力を借りることが求められた。
文化的足跡
アガワ岩の岩絵は、オンタリオ州スペリオル湖州立公園の主要な文化遺産として保護されている。ミシペシュの図はその中心にある。
なお北米先住民の諸伝統は今日も継承されている生きた信仰であり、物語の多くは特定の民族・氏族に属するものとして語られる。