ウクパニポ
ウクパニポ · Ukupanipo
ハワイ神話の鮫の神で、漁師が獲れるほど近くに来る魚の量を司る。ときに人間の子を養子にし、その子は鮫に変身する力を得るが、人の姿のときも肩甲骨の下に鮫の口のような印があるとされる。
解説
概要
ウクパニポは、ハワイの神話に語られる鮫の神で、漁師が獲れるほど近くまで魚を寄せるかどうかを決めるとされる。ときに人間の子を養子にすることがあり、その子は鮫に姿を変える力を得るが、人の姿のときにも、肩甲骨の下に鮫の口のようなしるしがあるという。ハワイでは、鮫を家系の守り霊とする家も多い。
なお本サイトの分類では、ポリネシア神話の体系に含めて扱う。
魚を寄せる神
ウクパニポは、岸の近くに魚を寄せるかどうかを決める。その機嫌しだいで、その年が豊漁になるか不漁になるかが左右された。漁師たちは、漁の前に供物を捧げた。
家系の守り霊
ハワイでは、アウマクアと呼ばれる家系の祖先の霊が、動物の姿をとって家を守るとされる。鮫をアウマクアとする家系は多く、そうした家の者は海で鮫に襲われないと考えられた。そのかわり、鮫を祖先とする家の者は、鮫を食べてはならなかった。
鮫の子
ウクパニポは、人間の子を養子にすることがある。その子は鮫に姿を変える力を持ち、人の姿のときにも、肩甲骨の下に鮫の口のようなしるしがあるという。ハワイの伝承には、背中に鮫の口を持つ半ば人で半ば鮫の男ナナウエの物語もあり、同じ主題を分け持っている。神の養子となった子が、人と鮫の両方の性質を持つのである。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
関わる伝承
フィジーのダクワンガと同じく、漁を司る鮫の神である。
文化的足跡
鮫を家系の守り霊とする信仰は、今日もハワイの一部の家系で受け継がれている。
なおポリネシアの伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。