ダクワンガ
ダクワンガ · ダクワカ · Dakuwaqa
フィジー神話の鮫の神で、島々を守る恐ろしい海の怪物として現れ、漁師に篤く敬われた。本当の姿は上半身が鮫の男とされる。カダヴ島を征服しようとして蛸の姿の女神ロコバカニツェヴァに敗れ、以後カダヴの守り手となったと伝えられる。
解説
概要
ダクワンガ(ダクワカとも)は、フィジーの神話に語られる鮫の神である。島々を守る恐ろしい海の怪物として現れることが多いが、海の危険とそこに住むものから守ってくれるため、漁師たちに篤く敬われた。フィジーは地理の上ではメラネシアに属するが、本サイトではポリネシア神話の体系に含めて扱う。
神話・物語
ある創造神話によれば、ダクワンガは川をさかのぼってカダヴ島を征服しようとした。そこへ女神ロコバカニツェヴァが蛸の姿で立ちはだかった。大きな戦いの末、蛸は八本の腕でダクワンガの歯を引き抜いて勝ち、ダクワンガに二度とカダヴを襲わないと約束させた。こうしてダクワンガは、カダヴの神となり守り手となったという。
ダクワンガはどんなものにも姿を変えられるが、本当の姿は、上半身が鮫のたくましいフィジーの男である。
信仰
英国国教会の司祭チャールズ・ウォンズボン=アストンは、20世紀のフィジーでもダクワンガが生きた存在であったことを書き留めている。ある船が鮫の頭と鯨の尾を持つ巨大な魚に下から突き上げられて転覆しかけたとき、フィジー人の乗組員は古いしきたりに従って強いカヴァを海に注ぎ、怪物は静かに沈んでいったという。
図像と象徴
主画像は、ダクワンガを表した木の像である。
系譜と関係
デンゲイとともに、フィジーの神々に属する。カダヴでは女神ロコバカニツェヴァに敗れた。
文化的足跡
ジェフ・ヴァンダミアの短編「第三の熊」はダクワンガを題材とし、DCコミックスでは悪役キング・シャークの父とされている。
なおフィジーをはじめ太平洋の伝統は今日も継承されている生きた文化であり、本項の記述はその伝承に関する学術的な整理である。